Anthropic、2028年までに700億ドルの収益を予測:AI市場での急成長

Anthropicの驚異的な成長予測

AI企業Anthropicは、2028年までに最大700億ドル(約10兆5000億円)の収益170億ドル(約2兆5500億円)のキャッシュフローを達成すると予測していることが、The Informationの報道で明らかになりました。この成長は、Anthropicのビジネス製品の急速な採用によって推進されています。

同社は、2025年末までに年間経常収益(ARR)で90億ドルを達成する見込みであり、2026年には200億ドルから260億ドルのARRを目標としています。また、API販売からの今年の収益は38億ドルに達すると予想されており、これは競合であるOpenAIの予測18億ドルの2倍以上となります。

積極的なB2B戦略と製品強化

Anthropicは、積極的なB2B(企業間取引)戦略を明確に打ち出しています。最近では、Microsoftと提携し、AnthropicのモデルをMicrosoft 365アプリやCopilotに統合しています。さらに、Salesforceとのパートナーシップを拡大し、DeloitteやCognizantの数十万人の従業員にAIアシスタント「Claude」を展開する計画です。

モデルの改善も進んでおり、過去2ヶ月間で、より小型で費用対効果の高いモデルであるClaude Sonnet 4.5Claude Haiku 4.5を発表しました。これらは、AIを大規模に展開する企業にとって魅力的な選択肢となっています。また、金融サービス向けのClaudeを拡張し、企業が社内のあらゆる業務アプリをClaudeに接続できる「Enterprise Search」を導入しました。

財務健全性と競合との比較

Anthropicは、財務面でも顕著な改善を見せています。昨年のマイナス94%だった売上総利益率が、今年は50%、2028年には77%に達すると予測されています。

競合であるOpenAIもB2B戦略を追求していますが、Anthropicとは異なる財務予測を示しています。OpenAIは今年130億ドルの収益を見込み、2027年には1000億ドルに達すると予測していますが、インフラ投資の拡大により、2026年には140億ドル、2029年までに1150億ドルの多額の損失を計上すると予想されています。一方、Anthropicは2028年までにプラスのキャッシュフローを予測しており、この点が大きな違いとして挙げられます。

今後の展望

Anthropicは、この成長を背景にさらなる資金調達を行う可能性があります。昨年9月には130億ドルを調達し、企業評価額は1700億ドルに達しましたが、次回の資金調達では3000億ドルから4000億ドルの評価額を目指す可能性があると報じられています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/04/anthropic-expects-b2b-demand-to-boost-revenue-to-70b-in-2028-report/