テッド・クルーズ上院議員、全米国民へのプライバシー保護拡大法案を阻止

導入

テッド・クルーズ上院議員(共和党・テキサス州選出)が、連邦議員や公職者のデータプライバシー保護を全米国民に拡大する法案の成立を阻止しました。この動きは、データブローカーによる個人情報売買の危険性が高まる中で、国民のプライバシー保護を求める声に逆行するものとして注目されています。

S.2850法案の概要とワイデン上院議員の主張

ロン・ワイデン上院議員(民主党・オレゴン州選出)が提出したS.2850「アメリカ人をドクシングと政治的暴力から守る法案」は、議員やその家族を保護する既存の規定を、米国の全住民に適用することを目的としていました。ワイデン議員は、「議員が特別な扱いを受けるべきではない」と強調し、「国民全員を保護することが、米軍や情報機関の職員、特に潜入捜査官を保護する最も効果的な方法だ」と述べました。

クルーズ上院議員の反対理由

クルーズ議員は、ワイデン議員の法案が法執行機関の活動を妨げる可能性があると主張し、「性犯罪者の居住地を知るような情報」が利用できなくなることを懸念しました。しかし、この主張には具体的な証拠が示されていません。

データブローカーの脅威

データブローカーは、数十億ドル規模の世界的な産業であり、電話やインターネット接続デバイスから収集した膨大な量の個人情報、財務情報、詳細な位置情報を蓄積・販売することで利益を得ています。このデータは、政府機関にも販売されており、政府は商業的に入手可能なデータに対して令状を必要としません。

データ収集の拡大は、セキュリティ侵害やデータ漏洩といったリスクも伴います。データブローカーから購入された情報がドクシングに利用され、最近ではミネソタ州の州議会議員2名が銃撃され、うち1名が死亡する事件にも関連しています。犯人はデータブローカーから議員の自宅住所を入手したとされています。

S.2851法案とクルーズ上院議員のさらなる反対

クルーズ議員は、ワイデン議員がその後提出したS.2851法案(連邦職員や議員への保護を州職員、そのスタッフ、ドメスティックバイオレンスや性的暴行の生存者に拡大する法案)にも反対しました。クルーズ議員は、保護対象を「可能な限り広範な範囲に拡大することには関心があるが、その答えはまだ出ていない」と述べました。

結論

今回のクルーズ議員による法案阻止は、個人情報が商品として扱われ、悪用されるリスクが高まる現代において、国民のプライバシー保護の重要性を改めて浮き彫りにしています。データブローカー規制の必要性は、セキュリティ専門家やプライバシー擁護者から強く訴えられています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/09/30/ted-cruz-blocks-bill-that-would-extend-privacy-protections-to-all-americans/


元記事: https://techcrunch.com/2025/09/30/ted-cruz-blocks-bill-that-would-extend-privacy-protections-to-all-americans/