待望の進化:Arturia KeyStep mk2が遂に登場
2016年の初代モデルから10年、モジュラーシンセ愛好家やDAWレス環境で絶大な人気を誇ったArturia KeyStepの正統な後継機「KeyStep mk2」が発表されました。手頃な価格と豊富な機能で、多くのクリエイターのワークフローを支えてきたこのキーボードは、今回のアップデートでさらなる進化を遂げています。
主要機能と接続性:クリエイティブなハブとしての役割
KeyStep mk2は、その核となる魅力を維持しつつ、現代のニーズに応える機能強化が図られています。
- 32鍵のミニ鍵盤とアフタータッチ機能
- コンパクトなフットプリント
- USB-Cによる電源供給とMIDI接続
- 5ピンMIDIイン/アウトポート
- アナログシンクイン/アウト
- サスティン/エクスプレッションペダル入力
- モジュラーギア接続用のCV/ゲート出力
これらの豊富な接続オプションにより、KeyStep mk2は様々な機材の中心となる「クリエイティブなハブ」としての役割を強化しています。
革新的な生成機能:MutateとSpiceが創造性を刺激
mk2の最大の目玉は、ArturiaのFreakシンセラインから継承された「Mutate」と「Spice」という二つの革新的な生成機能です。
- Mutate: アルペジオやシーケンスに半ランダムな変更を加え、無限のアイデアを生み出します。気に入ったパターンは新しいシーケンスとして保存可能です。YouTuberのLoopop氏は、「キーボードが作曲アシスタントとしてできることの新たなベンチマークを設定した」と評価しています。
- Spice: ゲート長、ベロシティ、ラチェット、そしてオクターブジャンプを調整し、より繊細なリズムバリエーションを提供します。シンセインフルエンサーのStarsky Carr氏は、「たくさんの楽しさとインスピレーションを与えるツールがKeyStep mk2には詰まっている」と述べています。
これらの機能は、偶発的な「ハッピーアクシデント」を誘発し、クリエイターの創造性を新たな高みへと導くでしょう。
ビルド品質への懸念:耐久性と長期使用の視点から
しかし、全ての評価が肯定的というわけではありません。一部のレビューでは、ビルド品質に関して懸念が示されています。初代モデルがそのサイズからは想像できないほどの重量感と耐久性をもたらす金属製ベースプレートを採用していたのに対し、mk2はオールプラスチック製となっています。
この変更は、デバイスの長期的な耐久性や、過酷な使用環境下での信頼性に影響を与える可能性があります。特に、ライブパフォーマンスや頻繁な持ち運びを想定するユーザーにとっては、この点が重要な「セキュリティニュース」となり得ます。クリエイティブなツールとしての安定性と堅牢性は、ユーザーのワークフローを「安全」に保つ上で不可欠な要素だからです。
まとめ:手頃な価格で提供される新たな創造性
Arturia KeyStep mk2は、手頃な価格で提供される強力な機能と革新的な生成能力により、多くの音楽制作者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。ビルド品質に関する懸念はあるものの、その創造的な可能性は、今後の音楽シーンに大きな影響を与えることが期待されます。
