OpenAI、政府の救済を求めず
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、同社のデータセンターに対する政府による救済を望んでいないと明言しました。これは、OpenAIのCFOサラ・フライアー氏がインフラ融資への政府の「バックストップ(保証)」を提案し、後にその発言を撤回したことを受けてのものです。アルトマン氏は、政府が勝者や敗者を選ぶべきではなく、納税者が企業の誤った経営判断を救済すべきではないと強調しました。
巨額のインフラ投資と資金調達の課題
OpenAIは今年、1.4兆ドル規模のデータセンター建設と利用契約を積み上げており、その資金調達方法について多くの疑問が投げかけられています。同社の年間収益は200億ドルに達していますが、この巨額の投資を賄う必要があります。フライアー氏は当初、政府のバックストップがあれば融資コストが下がり、常に最新のチップを使用できると発言していました。バックストップとは、政府が融資を保証し、企業が債務不履行に陥った場合に納税者がその費用を負担するというものです。
政府の役割と市場競争の原則
フライアー氏の発言が波紋を呼んだ後、トランプ政権のAI担当者であったデビッド・サックス氏も、米国政府がAI企業を救済する計画はないと述べました。サックス氏は、米国には少なくとも5つの主要なフロンティアモデル企業があり、もし1社が失敗しても、他の企業がその代わりを果たすだろうと指摘。政府がすべきことは、許可取得や発電を容易にすることだと主張しました。アルトマン氏もこれに同調し、政府の保証は半導体製造施設の建設支援の一環として議論されたものであり、OpenAIのデータセンター向けではないと明確にしました。
OpenAIの将来展望と自立戦略
アルトマン氏は、OpenAIが2025年末までに年間収益200億ドルを超え、2030年までには数千億ドルに成長すると予測しています。同社は、エンタープライズ向けサービス、新しい消費者向けデバイス、ロボティクスといった分野に自信を持っており、政府の支援に頼ることなく、自社の事業成長によって巨額の投資を賄う戦略を進めていく姿勢を示しました。この方針は、AI業界における健全な競争と市場原理の重要性を改めて浮き彫りにしています。
