ローデ研究所、「スリングショット」AI助成金でAI研究を加速
ローデ研究所は、人工知能の科学と実践を推進することを目的とした「スリングショット」助成金プログラムの第一弾を発表しました。このプログラムは、研究者向けのアクセラレーターとして設計されており、資金、計算能力、製品およびエンジニアリングサポートなど、通常の学術環境では得られないリソースを提供します。
研究者支援と成果への期待
助成金を受け取る研究者には、スタートアップの設立、オープンソースコードベースの開発、その他の成果物の作成など、最終的な成果物を生み出すことが求められます。これにより、AI分野における具体的な進歩とイノベーションが期待されています。
AI評価の難題に挑む
今回の初期コホートには15のプロジェクトが選ばれ、特にAI評価の困難な問題に焦点が当てられています。AIシステムの信頼性と安全性を確保する上で、その評価方法は極めて重要であり、セキュリティの観点からも注目されます。
- Terminal Bench: コマンドラインコーディングのベンチマーク。
- ARC-AGIプロジェクト: 長期にわたるAIプロジェクトの最新版。
- Formula Code: CalTechとUT Austinの研究者によって開発され、AIエージェントの既存コード最適化能力を評価します。
- BizBench: コロンビア大学の研究者が提案する、「ホワイトカラーAIエージェント」向けの包括的なベンチマーク。
これらのプロジェクトは、AIの性能だけでなく、その振る舞いや潜在的な脆弱性を理解するための基盤を築くことを目指しています。
競争ベースの評価フレームワーク「CodeClash」
SWE-Benchの共同創設者であるジョン・ボーダ・ヤン氏が率いる新しいプロジェクト「CodeClash」もこのコホートの一員です。CodeClashは、動的な競争ベースのフレームワークを通じてコードを評価します。ヤン氏はTechCrunchに対し、「企業固有のベンチマークが増える未来を懸念している」と述べ、中立的な第三者ベンチマークがAIの進歩を促進する上で不可欠であると強調しました。これは、AIの公平性とセキュリティを維持する上で重要な視点です。
セキュリティへの示唆
AI評価技術の進展は、より堅牢で信頼性の高いAIシステムの構築に直結します。これにより、AIが引き起こす可能性のあるセキュリティリスク(例えば、誤動作、バイアス、悪用など)を早期に特定し、低減するための重要な手段となります。ローデ研究所の取り組みは、AI技術の健全な発展と、それに伴うセキュリティ課題への対応において、大きな一歩となるでしょう。
元記事: https://techcrunch.com/2025/11/06/laude-institute-announces-first-batch-of-slingshots-ai-grants/
