Scribeが13億ドルの評価額を達成、AI投資の「真の価値」を解き放つビジネス効率化の重要性

Scribe、13億ドル評価額で資金調達を完了

ワークフロー文書化と最適化のプラットフォームを提供するScribeは、シリーズCラウンドで7,500万ドルを調達し、13億ドルの評価額に達したことを発表しました。この資金調達はStepStoneが主導し、既存投資家であるAmplify Partners、Redpoint Ventures、Tiger Global、Morado Ventures、New York Life Venturesも参加しました。今回の新たな資金は、AIと自動化が企業に真の利益をもたらす場所を特定する新プラットフォーム「Scribe Optimize」の展開を加速するために使用されます。

AI導入の課題とScribeの解決策

多くの企業がAI導入に意欲的である一方で、「何を最初に自動化すべきか」という根本的な問いに答えられないという課題に直面しています。Scribeの共同創設者兼CEOであるジェニファー・スミス氏は、「仕事がどのように行われているかを本当に知らなければ、どこを改善し、どこを自動化し、どこでAIエージェントが役立つかを知ることは非常に難しい」と述べています。Scribe Optimizeは、企業全体のワークフローをマッピングし、AIと自動化が実際に効果を発揮する領域を明らかにすることで、この課題を解決します。これにより、手作業によるエラーの削減、コンプライアンスの強化、そしてより効率的なセキュリティ運用基盤の構築に貢献する可能性を秘めています。

既存製品「Scribe Capture」の成功

2019年にスミス氏とCTOのアーロン・ポドルニー氏によって設立されたScribeは、GenAIブーム以前から事業を開始していました。同社の主力製品である「Scribe Capture」は、プロセスやワークフローが完了すると、ブラウザ拡張機能とデスクトップアプリを使用して、テキストとスクリーンショットを含むステップバイステップのガイドを自動的に生成します。これにより、従業員は月間35〜42時間の作業時間を節約し、新入社員のオンボーディングを40%高速化できると報告されています。Scribeは、手動でのワークフロー記録という現状と競合しており、その有効性が広く認められています。

ビジネス効率化がもたらす間接的なセキュリティメリット

Scribeのソリューションは、直接的なセキュリティ製品ではありませんが、その提供するビジネス効率化は、組織のセキュリティ体制に間接的かつ重要なメリットをもたらします。明確に文書化され、最適化されたワークフローは、ヒューマンエラーのリスクを低減し、セキュリティポリシーの遵守を容易にします。また、AIと自動化を戦略的に導入することで、脅威検出、インシデント対応、脆弱性管理などのセキュリティ運用をより迅速かつ一貫性のあるものにすることが可能になります。Scribe Optimizeは、これらのAI投資が「どこで実際に報われるか」を特定することで、企業がより堅牢で回復力のあるセキュリティ環境を構築するための基盤を提供します。

今後の展望と成長

Scribeはこれまでに、40,000以上のソフトウェアアプリケーション1,000万以上のワークフローを文書化してきました。現在、500万人以上のユーザーを抱え、Fortune 500企業の94%で利用されており、78,000の組織が有料顧客となっています。過去1年間で収益を倍増させ、評価額は前回の資金調達から5倍に増加しました。同社は現在120名の従業員を擁しており、今後12ヶ月でその数を倍増させる計画です。米国に加えて、英国、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパを主要市場と見込んでおり、さらなる成長が期待されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/10/scribe-hits-1-3b-valuation-as-it-moves-to-show-where-ai-will-actually-pay-off/