Figma、インド市場への本格進出を発表
デザインコラボレーションツールの大手Figmaは、インド市場での存在感を強化するため、ベンガルールに新オフィスを開設し、現地の人材採用を積極的に進めることを発表しました。これは、同社がインドの巨大なユーザーコミュニティとの関係を深め、デザイナーだけでなく開発者層への浸透を図るための重要な一歩となります。
2012年に設立されたFigmaは、ブラウザベースのインターフェースを提供することで、UXおよび製品チームにとって不可欠なコラボレーションツールとしての地位を確立しました。現在、同社はこの成功を開発者コミュニティにも広げようとしており、インドをその進化を加速させるための主要な市場と位置付けています。
インドの巨大な開発者コミュニティへの注力
インドは世界有数の開発者コミュニティを擁しており、MicrosoftのGitHubだけでも約2,200万人のインド人開発者がいます。Figmaのグローバルユーザーの約40%は開発者ですが、インドではFigmaが主にデザインツールとして認識されており、エンドツーエンドの製品作成プラットフォームとしての可能性が十分に理解されていないという課題に直面しています。
Figmaのエンジニアリング担当副社長であるアビシェク・マスール氏は、「インドにはFigmaを自分たちのツールと考えていない開発者が非常に多く、それが私たちが変えたいことです」と述べています。同社は、デザインとエンジニアリングのワークフローを橋渡しする機能を通じて、この認識を変えようとしています。
AI機能と開発者モードで開発者を支援
Figmaは、開発者層へのアプローチを強化するため、AIを活用した新機能を積極的に導入しています。特に注目されるのは、自然言語のプロンプトから動作するウェブアプリケーションを生成できる「Figma Make」です。インドはFigma Makeにとって最大の市場となっており、これまでに80万以上のプロトタイプが生成されています。
また、2023年に導入された「開発者モード(Dev Mode)」は、デザイナーが作成したデザインを開発者が迅速にコードに変換するのを支援し、デザインと開発の連携をスムーズにしています。インドのユーザーからのフィードバックは、より高品質なコードエクスポートオプションの導入にもつながっており、現地のニーズが製品開発に直接影響を与えていることが示されています。
インド市場の重要性と今後の展望
Figmaのグローバル利用の最大85%が国際市場であり、インドは米国に次ぐ第2位のユーザーベースを誇ります。2025年第3四半期時点で、インドの28の公式州のうち85%でFigmaが利用されており、9月時点ではボンベイ証券取引所の上位100社中40%以上がFigmaの顧客となっています。
ベンガルールオフィスは当初、インド国内での営業およびマーケティング活動の強化に重点を置きます。マスール氏は、インドがFigmaにとって「重要な市場」であると強調し、将来的にはさらなる可能性を追求していく意向を示しました。インドのユーザーベースには、CRED、Groww、Fynd、Swiggy、Zomatoといった消費者向けスタートアップから、Infosys、TCSなどのITサービス大手、Airtel、CARS24、Myntraといった消費者企業まで多岐にわたります。
元記事: https://techcrunch.com/2025/11/12/figma-bets-on-india-to-expand-beyond-design/
