Valve、SteamOSデバイスにおけるArmチップの可能性を強調 – 次世代ゲーミングプラットフォームの展望

ValveがArmチップに注目:SteamOSデバイスの未来

ゲーミングプラットフォームの主要企業であるValveは、SteamOSを搭載したハンドヘルドデバイス、ノートパソコン、さらにはデスクトップPCにおいて、Armチップが大きな可能性を秘めていると考えていることが明らかになりました。同社のソフトウェアエンジニアであるピエール=ルー・グリフェ(Pierre-Loup Griffais)氏は、Armアーキテクチャの将来性について強い期待を表明しています。

Arm採用がもたらす新たなゲーミング体験

グリフェ氏は、Armチップが「超小型PC、より高性能なノートパソコン、そしてもちろんハンドヘルドデバイス」への道を開くと述べています。さらに、将来的には「Armの世界でデスクトップチップも登場するかもしれない」との見解を示し、その可能性に興奮している様子です。すでにValveは、Androidアプリも実行可能なArmベースのヘッドセット「Steam Frame」を発表しており、Armへのコミットメントを示しています。

SteamOSエコシステムの拡大と互換性

Valveは、SteamOSがより多様なArmデバイスで動作するよう、「車輪に油を差し続ける」とグリフェ氏は語っています。これにより、互換性とパフォーマンスの面でSteamOSのゲームカタログがArm環境でより信頼性の高いものになるよう、継続的な取り組みが行われる予定です。これは、開発者にとっても新たなプラットフォームへの対応を促す重要な動きとなるでしょう。

市場の動向と競合

Armチップの採用は、ゲーミングハードウェア市場全体に影響を与え始めています。報道によると、NvidiaはArm搭載ゲーミングノートパソコンを準備しており、RazerもQualcommのノートパソコン向けチップ発表イベントに登場しています。グリフェ氏は、特に低消費電力のセグメントにおいては、Armチップがx86製品と競争力を持つと指摘しており、Steam Deck以下の電力要件を持つデバイスではArmが優位に立つ可能性を示唆しています。One-Netbookのような企業もArmハンドヘルドチップの実験を進めており、市場の多様化が進むことが予想されます。

次世代ゲーミングへの布石

Valveは現時点では「Steam Deck 2」について言及していませんが、今回のグリフェ氏の発言は、同社が将来のゲーミングハードウェア戦略においてArmアーキテクチャを非常に重視していることを示唆しています。Armの採用は、バッテリー寿命を犠牲にすることなく、次世代のコンピューティング性能を実現するための重要なステップとなる可能性があり、今後のゲーミング体験に大きな変革をもたらすかもしれません。


元記事: https://www.theverge.com/news/818698/valve-steamos-arm-potential-handhelds-laptops