Deta、AIブラウザとノートブックLMを融合した知識管理アプリ「Surf」を発表

はじめに:AIブラウザと知識管理の融合

ベルリンとニューヨークを拠点とするスタートアップDetaが、AIブラウザとGoogleのNotebookLMを融合させた新しい知識管理アプリ「Surf」のベータ版をリリースしました。近年、「XとYの融合」を謳うAIアプリケーションが多数登場する中、Surfはブラウジング機能と研究ツールとしての機能を兼ね備え、ユーザーの生産性向上を目指します。

「Surf」の主要機能と特徴

Deta Surfは、単なるブラウザに留まらず、特定のトピックに関するノートブックを作成できる研究ツールとしての側面も持ち合わせています。ユーザーはプロンプトに基づいてAIにトピックの要点を尋ねることができ、その結果は編集可能なNotionスタイルの要約レポートとして提供されます。

  • AIによる要約と編集:プロンプトに基づきAIがトピックを要約し、Notionスタイルのドキュメントで編集可能。
  • ウェブコンテンツの解析:ウェブページ、PDF、YouTube動画から主要な洞察を抽出し、要約。
  • 複数タブのコンテキスト利用:AIチャットボットに複数のタブをコンテキストとして渡し、それらに関する質問が可能。
  • コード生成機能:ノートブック向けにミニアプリ、インタラクティブなグラフやチャートを生成するようAIに依頼可能。

AIからの出力は、どのノートブックにも追加することができます。

競合との差別化とセキュリティへの配慮

PerplexityのComet、The Browser CompanyのDia、Opera Neonといった他の現代的なAIブラウザもタブをコンテキストとして利用する機能や、コードスニペットの生成能力を持っています。しかし、Detaの共同創設者であるMax Eusterbrock氏は、Surfが提供する「タブによるコンテキスト提供」「データをローカルに保持し、オフラインでノートブック作業を可能にする」点において、GoogleのNotebookLMを含む競合製品よりも優れていると強調しています。

特に、データをローカルで保持する機能は、ユーザーのプライバシー保護とセキュリティの観点から重要な利点となります。機密性の高い情報を扱う学生や研究者にとって、データがクラウドに常時アップロードされることなく、自身のデバイス内で管理できる点は大きな安心材料となるでしょう。一方で、AIが複数のタブから情報を処理し、コードを生成する機能は非常に強力ですが、取り扱う情報の種類や生成されるコードの安全性については、ユーザー自身が注意深く確認する責任があると言えます。

今後の展望と資金調達

Deta Surfは現在無料で提供されており、今後は画像生成機能の追加も予定されています。将来的には、クラウドバックアップ、コラボレーション機能、マルチデバイス対応などのプレミアム機能を含むサブスクリプションモデルの導入も検討されています。

Detaは2023年にCrane Venture Partners主導のシードラウンドで360万ドルを調達し、その後さらに50万ドルの追加資金を確保しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/01/detas-surf-app-is-an-amalgamation-of-an-ai-browser-and-notebooklm/