サティア・ナデラ氏、マイクロソフトの主要事業を統括する新CEOを任命

マイクロソフト、主要事業を統括する新CEOを任命

マイクロソフトは、同社のコマーシャル事業のCEOとして、現エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフコマーシャルオフィサーであるジャドソン・アルソフ氏を昇進させました。この人事は、サティア・ナデラCEOが「AIプラットフォームの地殻変動」と呼ぶ時代において、同社が事業を再編する最新の動きです。

この変更により、ナデラ氏は引き続き全体的なCEOの座に留まりつつも、データセンターの構築、システムアーキテクチャ、AIサイエンス、製品イノベーションといった、より技術的な業務に注力できるようになります。アルソフ氏は、マイクロソフトの主要な収益源であるエンタープライズ顧客からの収益を担う主要な商業事業を統括することになります。

AI時代への「地殻変動」と事業再編

ナデラ氏は従業員への社内メモで、今回の昇進はAI時代にマイクロソフトが自らを再発明し、「営業、マーケティング、運用、エンジニアリングを結集して成長を促進し、AI変革におけるパートナーとしての地位を強化する」必要性に関連していると述べました。アルソフ氏は過去9年間、マイクロソフトのグローバルセールス組織を率い、Microsoft Customer and Partner Solutions (MCAPS) 部門の構築に貢献してきました。

アルソフ氏は今後、マイクロソフトのソフトウェアやサービスを企業に販売する運用チームとマーケティングチームも担当しますが、製品を構築するエンジニアリングチームは担当しません。マーケティングチームを率いる竹本数人氏(Takeshi Numoto)は、CMOとしてアルソフ氏に直属することになり、運用組織もアルソフ氏の指揮下に入ります。ナデラ氏はメモの中で、「運用をコマーシャル事業に組み込むことで、顧客のニーズと、我々がどのように提供しサポートするかとの間のフィードバックループを強化できる」と説明しています。

ナデラ氏のメモ全文からの洞察

ナデラ氏のメモは、AIが生産性とGDP成長に大きな変化をもたらす「汎用技術」であるという認識から始まります。彼は、マイクロソフトの成功は、顧客とパートナーがAI能力を人間の資本と組み合わせることで、事業運営の最前線を変化させることにかかっていると強調しています。

また、ナデラ氏は、「これにより、当社のエンジニアリングリーダーと私は、データセンターの構築、システムアーキテクチャ、AIサイエンス、製品イノベーションといった、最も野心的な技術的業務に集中し、この世代的なプラットフォームシフトにおいて、集中力とペースを持ってリードできる」と述べています。彼は、今回の再編を単なる進化ではなく、マイクロソフトと従業員一人ひとりにとっての「再発明」であると位置づけています。


元記事: https://www.theverge.com/news/789558/microsoft-ceo-commercial-judson-althoff-internal-memo