CISA、中国の脅威に対抗し大規模採用を計画 – 人員不足解消と組織再建へ

CISA、中国への対応強化と組織再建に向けた採用計画を発表

米国のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は、2026年に大規模な採用活動を行う計画を発表しました。この動きは、前トランプ政権下で大幅に削減された人員の再構築と、潜在的な米中間の対立激化に備えることを目的としています。

CISA長官代行のマドゥ・ゴットゥムッカラ氏は、11月5日付のスタッフ向けメモで、「最近の人員削減は、CISAが国家安全保障上の要請と政権の優先事項を完全に支援する能力を制限している」と述べました。彼は、CISAが「極めて重要な局面」に達しているものの、主要な任務分野で約40%の欠員率に悩まされていると指摘しています。

深刻な人員不足と国家安全保障上の緊急性

ゴットゥムッカラ氏は、中国が米国および同盟国の重要インフラを標的とし続けている現状と、2027年に危機が予測されていることを踏まえ、「CISAは2026会計年度末までに高度な資格を持つ専門家を採用し、機関の防御態勢を強化しなければならない」と強調しました。

具体的な採用と人材育成戦略

新しい労働力・人材戦略の一環として、CISAは州のサイバーセキュリティコーディネーターおよび地域のサイバーセキュリティアドバイザーの採用を優先します。特に「恒常的な欠員」が見られる地域に重点を置くとのことです。

さらに、CISAは国土安全保障省(DHS)の「サイバー人材管理システム」の活用を拡大し、「市場レートで重要なサイバー人材を採用」する方針です。これは若手実務家から経験豊富な業界専門家までを対象とし、DHSの人事部門と協力して採用プロセスを迅速化します。

過去の経緯と職員の定着策

CISAは、トランプ政権下での選挙セキュリティ活動に対する反感から、人員の3分の1以上を失うという苦い経験をしています。この人員削減は、主要な専門知識の喪失、重要な業務の危機、そしてパートナーシップの悪化を招きました。

今回の新しい戦略には、潜在的な候補者や現職の従業員がCISAで働き続けたいと思えるような魅力的な職場環境を作るための施策も含まれています。具体的には、高度な技術的専門知識を持つ従業員、出張が多い従業員、または営業時間外にミッションクリティカルな業務を担う従業員に対しては、オフィス出社義務ポリシーの例外を認めることを検討します。CISAは引き続き80%以上の従業員がオフィスで勤務することを目指しますが、「柔軟性は、特にサイバーセキュリティ、IT、および運用部門において、高度なスキルを持つ従業員の定着と業務効率の維持に不可欠なツールであり続ける」とゴットゥムッカラ氏は述べています。

将来を見据えた学術機関との連携

CISAはまた、大学とのパートナーシップを拡大し、サイバーセキュリティ分野、特に需要の高い産業用制御システム(ICS)やその他のミッションクリティカルな分野での若手育成を推進します。奨学金制度「Scholarship for Service」の卒業生を優先的に採用し、インターンシッププログラムを再活性化して、来年の夏までに「大規模な学生コホート」を迎え入れることを目標としています。


元記事: https://www.cybersecuritydive.com/news/cisa-hiring-workforce-strategy/805733/