はじめに
Microsoftは、ビジネスコミュニケーションプラットフォームであるTeamsにおいて、ユーザーが誤ってセキュリティ脅威と判定されたメッセージを報告できる新機能の展開を開始しました。この機能は、誤検知(False Positive)に対するユーザーからのフィードバックを可能にし、検出精度の向上と組織のセキュリティ強化を目指します。
新機能の概要
Microsoftは、Teamsユーザーが不正確に悪意があると判断されたメッセージについて、誤検知アラートを報告できるようになると発表しました。この新機能は、9月に最初の発表があり、現在は対象を絞ったロールアウトフェーズに入っています。2025年11月末までに全世界のユーザーに展開される予定です。
Microsoft 365メッセージセンターのアップデートで、「Microsoft Teamsは現在、チャットやチャンネルでセキュリティ脅威と誤ってフラグ付けされたとユーザーが考えるメッセージを報告する機能を有効にしています。これにより、ユーザーは誤検知に関するフィードバックを提供し、検出精度を改善し、組織のセキュリティを強化できるようになります。」と述べられています。
対象ユーザーとプラットフォーム
この誤検知報告機能は、Microsoft Defender for Office 365 Plan 2またはMicrosoft Defender XDRを使用している組織で利用可能です。また、デスクトップ(WindowsおよびmacOS)、モバイル(AndroidおよびiOS)、ウェブの各プラットフォームでアクセスできます。
管理者による設定
一般提供が開始されると、このTeams機能はデフォルトでオンになります。しかし、管理者はTeams管理センターおよびMicrosoft Defenderポータルでこれをオンまたはオフに切り替えることも可能です。
誤ったセキュリティ検出に関するユーザー報告をオンにするには、管理者は以下の手順を実行する必要があります:
- https://admin.teams.microsoft.com でTeams管理センターにサインインします。
- 左側のナビゲーションで「メッセージング設定」を選択します。
- 「メッセージングの安全性」設定までスクロールダウンします。
- 「誤ったセキュリティ検出を報告する」設定をオンにします。
- 「保存」を選択して変更を適用します。
その他のセキュリティ強化
Microsoftは近年、Teamsのセキュリティ機能を継続的に強化しています。先週、Microsoftはプレミアム顧客向けに、会議中の画面録画やスクリーンショットを自動的にブロックする新機能の展開を開始しました。また、悪意のあるリンクを含むプライベートメッセージを送受信する際にユーザーに警告する機能や、Teamsチャットやチャンネルにおける悪意のあるファイルタイプおよびURLに対する保護を強化する取り組みも進められています。これらの機能はすべて現在世界中で展開されており、2025年11月末までに一般提供される見込みです。
まとめ
Teamsは、毎月3億2,000万人以上のユーザーが181の市場で利用している主要なコミュニケーションツールです。今回の誤検知報告機能の導入は、ユーザーからの直接的なフィードバックを活用することで、脅威検出システムの精度を向上させ、より安全なデジタルワークプレイスの実現に貢献する重要な一歩となります。
