iPhone運転免許証機能、イリノイ州で提供開始 – デジタルIDのセキュリティと普及

Apple Walletによるデジタル運転免許証の展開

iPhoneおよびApple WatchのWalletアプリに運転免許証や州IDを追加できる機能が、米国の一部州で利用可能となっていましたが、この度、イリノイ州でも2025年11月19日水曜日から提供が開始されます。この機能は、選択された空港や事業者、特定のアプリにおいて、身分証明や年齢確認を非接触かつ便利に行うためのものです。セキュリティと利便性の両面で、デジタルIDのさらなる普及を促進すると期待されています。

イリノイ州での導入により、シカゴのオヘア空港およびミッドウェー空港、さらにミズーリ州セントルイスのランバート空港でiPhoneのWallet IDが受け入れられることが確認されました。

ビジネス向け「Mobile ID Verifier」アプリとセキュリティ対策

このデジタルIDの導入を補完するため、イリノイ州務長官室は、企業が年齢制限のある商品の販売(例えばアルコールなど)を行う際に年齢確認を容易にするための無料アプリ「Mobile ID Verifier」を開発しました。このアプリは、11月19日水曜日からApp Storeで提供され、デジタルIDの利用範囲を拡大するとともに、正確かつ安全な年齢確認をサポートします。

本機能をセットアップするには、Walletアプリを開き、右上のプラス記号をタップし、「運転免許証およびIDカード」を選択して、画面の指示に従います。利用にはiOS 16.5以降を搭載したiPhone 8以降、またはwatchOS 9.5以降を搭載したApple Watch Series 4以降が必要です。

このデジタルID機能の重要なセキュリティ要素として、サイドボタンをダブルクリックしてWalletでカードのロックを解除しても、電話全体のロックが解除されるわけではない点が挙げられます。これにより、万が一デバイスを他人に渡すような状況になったとしても、表示されたカードのみが使用可能となり、デバイス全体へのアクセスは厳しく制限され、ユーザーのプライバシーとセキュリティが強固に保護されます

対応状況と今後の展望

現在、Walletアプリで運転免許証が利用可能な州は以下の通りです。

  • アリゾナ州 (2022年3月以降)
  • メリーランド州 (2022年5月以降)
  • コロラド州 (2022年11月以降)
  • ジョージア州 (2023年5月以降)
  • オハイオ州 (2024年7月以降)
  • ハワイ州 (2024年8月以降)
  • カリフォルニア州 (2024年9月以降)
  • アイオワ州 (2024年10月以降)
  • ニューメキシコ州 (2024年12月以降)
  • モンタナ州 (2025年8月以降)
  • ノースダコタ州 (2025年9月以降)
  • ウェストバージニア州 (2025年10月以降)
  • イリノイ州 (2025年11月以降)

また、プエルトリコでも利用可能です。

Appleは以前、コネチカット州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、オクラホマ州、ユタ州も将来的に本機能を導入する予定であると発表していましたが、具体的な時期は明らかにされていません。

デジタルIDは、その利便性と強固なセキュリティ機能により、今後も米国全体での導入が加速すると予想されます。個人情報の保護と詐欺防止の観点からも、このような技術の進化はセキュリティ業界にとって重要な進展と言えるでしょう。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/11/18/iphone-drivers-license-13th-state/