「Poe」が画期的なグループチャット機能を導入
Quoraが提供するAIプラットフォーム「Poe」が、新たにグループチャット機能の提供を開始しました。これにより、ユーザーは最大200人のグループ内で、200以上のAIモデル(テキスト、画像、動画、音声生成AIを含む)を横断して共同作業を行うことが可能になります。この動きは、OpenAIのChatGPTが一部地域でグループチャットの試験運用を開始した直後に行われたもので、AIチャットボットの利用形態が従来の1対1から、友人、家族、同僚との協調的なスペースへと変革する可能性を秘めています。
200以上のAIモデルと連携するコラボレーション
Quoraは、Poeのグループチャット機能によって、AIユーザーに新たなインタラクティブな体験がもたらされると示唆しています。具体的な利用例としては、以下のようなシナリオが挙げられます。
- Gemini 2.5の検索機能とo3 Deep Researchを活用した家族や友人との旅行計画。
- 様々な画像生成AIモデルを使用してムードボード用の画像をブレインストーミングするチーム。
- クイズボットを利用したトリビアゲーム。
この機能は、Poe上で利用可能なClaude 4.5 Sonnet、ElevenLabs v3、GPT-5.1、Sora 2 Proなど、幅広いAIモデルやクリエイターが作成したカスタムボットを組み合わせて利用できる点が特徴です。
セキュリティとプライバシーへの潜在的課題
多数のAIモデルとユーザーが同時にやり取りを行うグループチャット環境は、その利便性の裏でセキュリティとプライバシーに関する新たな課題をもたらす可能性があります。特に、200を超えるAIモデルが相互に連携し、さらにユーザーがカスタムボットを作成・共有できる機能は、以下のようなリスクを考慮する必要があります。
- 情報セキュリティとデータ共有: グループチャット内で共有される情報が、複数のAIモデル間でどのように扱われ、保護されるのか、その透明性が求められます。
- コンテンツの信頼性と偏り: 多様なAIモデルからの情報が混在する中で、誤情報や偏った内容が生成・拡散されるリスクが増大する可能性があります。
- 悪意のあるカスタムボット: 悪意を持ったユーザーが、フィッシングやスパム、個人情報収集を目的としたカスタムボットを作成し、グループ内で利用する可能性も否定できません。
- コンテンツモデレーションの複雑化: 多数のAIとユーザーが関与する環境での不適切コンテンツの検出と対処は、より複雑な課題となります。
Poeは「AIが仲介するグループインタラクションとコラボレーションの可能性は広大であり、現在は未開拓」と述べており、これらの課題に対する強固な対策が今後の機能改善において重要となるでしょう。
リアルタイム同期と将来の展望
Poeのグループチャットは、ウェブサイトのpoe.comから開始できます。チャット履歴はデバイス間でリアルタイムに同期されるため、デスクトップで会話を始めても、モバイルデバイスに切り替えてもスムーズに継続できます。Quoraはこの機能を過去6ヶ月間かけて開発し、ユーザーからのフィードバックに基づいて今後数週間でさらに改善を進める計画です。また、Poe上でカスタムボットを作成し、他のユーザーが自分のグループで利用できるように共有する機能も提供されており、AIと人間のコラボレーションの新たなユースケース創出に期待が寄せられています。
元記事: https://techcrunch.com/2025/11/18/poes-ai-app-now-supports-group-chats-across-ai-models/
