Kiki、NY市の違法サブレットで高額罰金:規制との「グレーゾーン」戦略の代償

概要:Kikiの巨額和解金

サブレットサービスを提供するスタートアップKikiが、ニューヨーク市の短期レンタル法に違反したとして、15万2000ドル(約2200万円)以上の和解金を支払うことに合意しました。この事件は、都市の厳格な規制を無視する企業に対して当局が厳しい姿勢で臨むことを明確に示すものです。

Kikiの事業モデルとNYCの法規制

Kiki Clubは、2023年にオークランドを拠点としてニューヨーク市で事業を開始しました。そのミッションは、賃貸人が長期旅行中にアパートを最大6ヶ月間サブレットできるよう支援することでした。同社は、マッチングシステムを活用してリスナーと賃借人を繋ぐことで、サブレットプロセスを簡素化することを目指していました。

しかし、Kikiのビジネスモデルは、2022年に制定されたニューヨーク市の「Local Law 18」に抵触しました。この法律は、短期レンタルに対して厳格なガイドラインを課しており、ホストが市当局(OSE)に短期レンタルホストとして登録され、かつゲストと同じユニットに滞在するなどの追加基準を満たす場合にのみ許可されます。この法律の導入により、Airbnbなどのプラットフォームにおける短期レンタルは劇的に減少し、その厳しさが浮き彫りになっていました。

違反内容と法的措置

ニューヨーク市長特別執行局(OSE)の発表によると、Kikiは対象となるリスティングに関する四半期ごとの短期レンタル取引レポートを提出せず、さらに約400件の短期レンタル取引を検証しなかったとされています。

OSEのクリスチャン・クロスナー事務局長は声明で、「Kiki Clubは、未登録かつ違法な短期レンタルの秘密の経路として機能し、テナント保護と恒久的な住居の維持のための市の取り組みを直接的に損なった」と述べ、Kikiの行動を強く非難しました。

Kikiは調査結果を認めも否定もしませんでしたが、最終的に罰金を支払い和解に至りました。

「グレーゾーン」戦略の代償とロンドン展開

Kikiの広報担当者は以前、SmartCompanyのインタビューで、同社が「グレーな規制領域」で事業を行っていることを認識していたと認めています。ニューヨークでの重大な結果にもかかわらず、Kikiはサービスを諦めていません。今年6月には、ロンドンでのサービス開始を発表しました。

しかし、英国にも違法レンタルに関する独自の規制が存在します。Kikiがニューヨークで得た教訓を活かし、新たな市場で同様の事態を避けることができるかどうかが注目されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/19/subletting-startup-kiki-paid-over-152k-to-settle-charges-after-violating-nyc-short-term-rental-laws/