Google、GmailのAIトレーニング利用に関する「誤解を招く報道」を否定

誤解を招く報道とGoogleの声明

Googleは、Gmailのメール内容がAIモデルのトレーニングに利用されているという「誤解を招く」報道に対し、公式に反論しました。Malwarebytesなどのメディアで広まったこれらの報道は、ユーザーがAIトレーニングを避けるためにはGmailの「スマート機能」を無効にする必要があると主張していました。

しかし、Googleの広報担当者ジェニー・トムソン氏はThe Vergeに対し、「これらの報道は誤解を招くものです。弊社が誰かの設定を変更したことはなく、Gmailのスマート機能は何年も前から存在しており、皆様のGmailのコンテンツを弊社のGemini AIモデルのトレーニングに使用することはありません」と明確に述べています。

スマート機能とプライバシー設定の確認

Gmailのスマート機能を有効にすると、スペルチェック、注文追跡、フライト情報のカレンダーへの自動追加など、便利なパーソナライズ機能が提供されます。Googleは、これらの機能の有効化は「Google WorkspaceがWorkspaceのコンテンツとアクティビティを使用して、Workspace全体でユーザーエクスペリエンスをパーソナライズすることに同意する」ことを意味するものの、これはメールコンテンツをAIトレーニングに提供することではないと説明しています。

ユーザーは自身のプライバシー設定を再確認することが推奨されます。The Vergeのスタッフの一人が、過去にオプトアウトしていたスマート機能が再び有効になっていたと報告しており、設定が意図せず変更されている可能性も示唆されています。Googleは2023年1月にスマート機能のパーソナライズ設定を更新し、Google WorkspaceとGoogleの他の製品(マップやウォレットなど)の機能を個別にオン/オフできるようになっています。

セキュリティニュースとしての重要性

この一件は、AI技術の進化に伴い、ユーザーデータがどのように利用されるかというプライバシーとセキュリティに関する懸念が高まっていることを浮き彫りにします。企業によるデータ利用ポリシーの透明性と、ユーザー自身による設定管理の重要性が改めて強調される事例と言えるでしょう。


元記事: https://www.theverge.com/news/826902/gmail-ai-training-data-opt-out