はじめに
Windows 11のユーザー体験向上を目指し、マイクロソフトはファイルエクスプローラーのパフォーマンス改善に向けた新たな取り組みを進めています。特に、アプリケーションの起動時間を短縮するための新機能がWindows Insiderプログラムを通じてテスト段階に入っています。
File Explorerの高速化:バックグラウンドプリロード
この新機能は、ファイルエクスプローラーをバックグラウンドで事前に読み込むことによって、起動時間を大幅に短縮することを目的としています。マイクロソフトによると、この機能を有効にしてもユーザーインターフェースに目に見える変更はなく、ファイルやフォルダへのアクセス時により迅速な起動が体感できるとのことです。
この機能はオプションであり、ユーザーはファイルエクスプローラーの「フォルダーオプション」の「表示」タブにある「ウィンドウのプリロードを有効にして起動時間を高速化する」のチェックを外すことで、いつでも無効にできます。マイクロソフトは、この機能に関してFeedback Hubを通じたフィードバックを求めており、今後の改善に役立てる方針です。
また、この改善は、2025年5月に展開されたOfficeアプリケーション向けの類似機能「Startup Boost」に続くものであり、アプリの高速起動への注力が伺えます。
コンテキストメニューの整理と使いやすさの向上
パフォーマンス改善と並行して、ファイルエクスプローラーのコンテキストメニュー(右クリックメニュー)も刷新されます。マイクロソフトは、メニューの項目を論理的なグループに再編成することで、煩雑さを軽減し、アクセス性を向上させると発表しました。
具体的な変更点として、以下の機能が挙げられます。
- 「ZIPファイルに圧縮」、「パスとしてコピー」、「デスクトップの背景に設定」、画像回転オプションなどは、新しい「ファイルの管理」フライアウトメニューに移動。
- クラウドプロバイダーのオプション(例:「常にこのデバイスに保持」、「容量を解放する」)は、それぞれのクラウドプロバイダー固有のフライアウト内に表示され、「携帯電話に送る」オプションも同様。
- 「フォルダーの場所を開く」コマンドは、「開く」および「プログラムから開く」の隣に再配置され、関連性の高いコマンドがまとめられます。
「ファイルの管理」ラベルは、ユーザーからのフィードバックに基づいて将来のアップデートで変更される可能性があります。
提供チャネルと今後の展望
これらの新機能は、現在、Windows InsiderプログラムのDevおよびBetaチャネルに参加しているユーザーにWindows 11 25H2、ビルド26220.7271 (KB5070307)のプレビュービルドを通じて順次展開されています。ユーザーからのフィードバックは、これらの機能の最終的な実装と改善に重要な役割を果たすと期待されています。マイクロソフトは、今後もWindowsのユーザー体験をより快適にするための改善を継続していくことでしょう。
