「BrickBoy」キットの衝撃事実:物理スイッチではなくフローティングマグネット採用
Legoブロックで組み立てるゲームボーイキット「BrickBoy」が、そのボタン機構に物理スイッチではなくフローティングマグネットを採用していることが明らかになり、Kickstarterの支援者の間で驚きが広がっています。
「BrickBoy」は、3,500人近い支援者を集めており、レゴ製ゲームボーイに実際のスクリーンとボタンを搭載するというユニークなコンセプトが注目されていました。しかし、当初のプロモーション画像で示唆されていたドーム型スイッチとは異なり、実際にはレゴブロック内に小型の希土類磁石を埋め込む方式が採用されているとのことです。
クラウドファンディングにおける「不透明さ」の問題提起
この事実は、開発元であるSubstance Labsが、Kickstarterキャンペーン終了まで残り3日というタイミングで、AMA動画内でようやく詳細を説明したことで判明しました。多くの支援者や、過去にこの製品を取り上げたメディア関係者も、この仕様変更には気付いていなかったと報じられています。
問題は、プロモーション画像が常にドーム型スイッチを示していた一方で、マグネット方式に関する説明がほとんどなかった点にあります。筆者が試用した初期プロトタイプでは動作が不安定で、例えば「スーパーマリオブラザーズ」の最初のクリボーすらまともに操作できないという課題も指摘されています。
さらに、「5分で組み立てられる」と謳うYouTube動画についても、追加のマグネットメーターの配線やレゴブロックの加工、そして各マグネットのキャリブレーションにかかる時間が省略されていると批判されています。
開発元の見解と、ユーザー期待のギャップ
開発者Thomas Bertani氏は、今回のマグネット方式は「最高の体験」を提供するためのものであり、もしうまくいかなければ有線ボタンに戻す用意があると説明しています。また、彼はユーザーが「マグネットか有線か」よりも「うまく動作するか」と「レゴ体験を楽しめるか」を重視していると考えているようです。
Bertani氏によると、800人の支援者を対象とした初期のアンケートでは、多くの人が「レゴファンの方がゲームボーイファンよりも多い」と回答しており、製品をディスプレイ目的で購入する人も少なくないことが示唆されています。このことから、同社は操作性よりも「レゴとしての組み立て体験」に重きを置いたと推測されます。実際、マグネットメーターの採用は製品コストを上昇させる要因にもなっているとのことです。
広がる議論:クラウドファンディングと情報開示のあり方
今回の件は、クラウドファンディングにおける「資金提供の透明性」について議論を呼んでいます。筆者は、支援者が「何に資金を投じているのか」を事前に知る権利があると考えており、視覚的な情報が実際の製品仕様と異なる場合、その変更点と影響は明確に伝えるべきだと主張しています。
Bertani氏は、キャンペーン終了前の今週末に、すべての支援者に対して製品の動作原理についてより透明性のある説明を行うことを約束しています。支援者からの信頼を維持するためにも、今後の情報開示が注目されます。
元記事: https://www.theverge.com/gadgets/832654/brickboy-kickstarter-lego-game-boy-magnet-buttons
