Wrapped 2025、ユーザーの熱い期待に応え進化
Spotifyの年間音楽レビュー機能「Spotify Wrapped」が、2025年版で待望の復活を遂げました。昨年、AIポッドキャストをハイライトに据えたことで広範な批判を浴びましたが、今年はストリーミングデータの深掘り、クリエイティブな体験、お気に入りアーティストからのメッセージ、その他のソーシャル機能といったWrapped本来の魅力に回帰しています。Spotifyは、Wrapped 2025を過去最大規模とし、トップソングやアーティストといった従来の要素に加え、約12の新機能を導入。さらに、ユーザーデータに対する可視性も向上させています。
友達と盛り上がる新機能「Wrapped Party」
今年のWrapped最大の目玉は、リスニングデータを友達と比較できる初のライブマルチプレイヤー機能「Wrapped Party」です。最大9人の友人を招待し、お互いの統計を比較できます。ソーシャルメディアで共有するのとは異なり、この機能はグループ向けに「最も熱心なファン」「早起きリスナー」「最も好みにうるさいリスナー」といったユニークなデータストーリーを提示します。さらに、「食卓の解説者」(ニュースポッドキャストを最も聴く人)といった、友達との新しい発見に繋がる面白いカテゴリも登場します。Wrapped Partyでのアワードはセッションごとに動的に更新されるため、何度参加しても新しい体験ができます。
その他注目の新機能
Wrapped 2025には、他にもユーザー体験を深める新機能が満載です。
- Top Songsプレイリストでの再生回数表示:お気に入りの曲にどれだけの時間を費やしたかを具体的に確認できるようになりました。
- インタラクティブなTop Song Quiz:自分の年間トップソングを結果を見る前に当てるクイズで楽しめます。
- Listening Age:2025年のあなたの音楽リスニングを、同年齢層の人々と比較します。主に聴いた曲のリリース年を考慮し、あなたの年齢層の他のリスナーよりも多く聴いた5年間の音楽を特定します。
- Wrapped Clubs:あなたのリスニングスタイルに基づいて、「Soft Hearts Club」「Club Serotonin」など、6つのユニークなリスニングスタイルのいずれかにマッチングされます。また、クラブ内でのあなたの役割(クラブリーダー、スカウト、アーキビストなど)も付与されます。
また、これまでのTopソング、Topアーティスト、Topジャンルに加え、今年は初めてTopアルバムも表示されます。オーディオブックやポッドキャストを利用しているユーザーには、それらの指標も提供されます。アーティスト、作家、ポッドキャスター向けにもWrappedが用意されており、トップファンは、お気に入りのアーティスト、ポッドキャスター、そして今回は著作家からもビデオメッセージを受け取ることができます。
AIの活用とユーザーフィードバックへの対応
Spotifyは、今年のWrappedでAIを使った機能を前面に出していません。Spotifyのグローバルマーケティング担当シニアディレクター、マット・ラクス氏は、2024年のAI中心のWrapped体験について「多くのフィードバック、ポジティブなものと『より建設的なフィードバック』の両方を受け取った」と認めました。これらのフィードバックを基に、2025年版では「最もクリエイティブで革新的、そして魅力的なWrapped」を目指したと語っています。
しかし、AIがWrapped体験の一部であることに変わりはありません。全体的な体験はAI製ではないとしながらも、LLM(大規模言語モデル)を活用してWrappedの事実と数字にストーリーテリングのレイヤーを追加し、ユーザーデータに基づいた自然言語による要約を提供しています。
競合を退け「年間レビューの基準」であり続ける
SpotifyのWrappedに対する今回の取り組みは、Apple、Amazon、YouTubeなどが独自の年間レビュー機能を立ち上げ、競争が激化する中で行われました。ラクス氏は、「皆が独自のWrappedを持っているように見える。しかし、Wrappedがこれら年末のまとめの基準を設定していると信じている」と述べ、Spotifyのリーダーシップを強調しました。
なお、2025年のトップリストでは、Bad Bunnyがトップソングとトップアルバムを、Joe Roganが「The Joe Rogan Experience」ポッドキャストを、Rebeca Yarrosが「Fourth Wing」の著者として名を連ねています。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/03/spotifys-2025-wrapped-becomes-a-multiplayer-experience/
