MrBeast、IPOの可能性を探る
YouTubeのトップクリエイターであるMrBeast(ジミー・ドナルドソン)の企業「Beast Industries」が、将来的な株式公開(IPO)を検討していることが明らかになりました。DealBook Summitでのインタビューで、Beast IndustriesのCEOであるジェフ・ハウゼンボールド氏は、世界中でMrBeastのコンテンツを視聴する14億人のファンに「会社のオーナーになる機会」を提供したいと語り、その実現手段としてIPOを示唆しました。
Beast Industriesの驚異的な成長
かつては懐疑的な見方もあったものの、MrBeastのビジネスは驚異的な速度で成長を続けています。3年前には15億ドルと評価された同社は、昨年には50億ドルの評価額で資金調達を実施しました。ジミー・ドナルドソン氏のMrBeastチャンネルは、他のどのYouTubeチャンネルよりも多い4億5000万人以上の登録者を抱え、史上最も成功したソーシャルメディアスターの一人として君臨しています。
多角化する事業戦略
Beast Industriesの事業はYouTubeの広告収入にとどまらず、多角化が進んでいます。主要な収益源はFeastablesチョコレートであり、これはMrBeastのYouTubeチャンネルやPrime Videoの番組「Beast Games」よりも収益性が高いと報じられています。さらに、同社は将来的に以下の新事業を展開する計画です。
- クリエイターとマーケターを繋ぐ双方向のマーケットプレイス
- 携帯電話会社の立ち上げ
- 金融サービスプラットフォーム
- サウジアラビアでのテーマパーク建設
過去の課題と学び
一方で、MrBeastのビジネスは順風満帆ではありませんでした。ゴーストキッチン「Virtual Dining Concepts」との間で「食欲をそそらない」食品の販売を巡る訴訟を抱え、さらに「Beast Games」の撮影においては、出演者から不適切な扱いやセクシャルハラスメントの訴訟を起こされています。ドナルドソン氏とハウゼンボールドCEOは、これらの経験から学び、改善を続けていると語っています。
クリエイターIPOの未来
クリエイターが率いるビジネスのIPOは前例がないわけではありませんが、成功例はまだ少ないのが現状です。eスポーツチームのFaZe Clanは7億2500万ドルのSPAC上場を果たしましたが、1年後にはわずか1700万ドルで買収されました。しかし、MrBeastがこれらの課題を乗り越え、上場企業としての厳しい監視に耐えうるマネジメント体制を構築できれば、クリエイター主導のIPOとして初の成功例となる可能性を秘めています。ハウゼンボールドCEOは「最初から我々はグローバルメディア企業であり、今、その視聴者、ファン、そして築き上げた信頼を収益化しようとしています」とコメントしました。
