メタ、AIデバイス企業Limitlessを買収
米Metaは12月5日(金)、AIデバイススタートアップ「Limitless」(旧Rewind)を買収したことを発表しました。この買収は、Metaが推進するウェアラブルAI分野への注力を明確にするものです。
Limitlessは、ユーザーの会話を記録するAI搭載のペンダント型デバイスや、デスクトップアクティビティを記録し検索可能にするソフトウェア「Rewind」で知られています。
既存製品と顧客への影響
Limitlessの発表によると、同社は今後、ハードウェアデバイスの販売を停止し、既存顧客へのサポートは1年間継続されるとのことです。
- 既存のサブスクリプション料金は廃止され、顧客は自動的にUnlimited Planに移行されます。
- 「Rewind」ソフトウェアを含むその他の機能は、順次終了される予定です。
- ユーザーは、アプリ内からデータのエクスポートまたは削除を選択することができます。
MetaのウェアラブルAI戦略と買収の狙い
Limitlessは、Metaの「すべての人にパーソナルなスーパーインテリジェンスを提供する」というビジョンに共鳴し、AI搭載ウェアラブルの開発を支援していくと述べています。
Metaは現在、Ray-Ban MetaやOakley MetaといったAR/AIグラスに注力しており、今回の買収は既存のウェアラブルAI製品ラインアップの強化、特にAI機能の統合を加速させることが目的と見られます。
Limitlessの共同創業者であるDan Siroker氏は、5年前に事業を開始した当時と比べ、AIとハードウェアを組み合わせたスタートアップを取り巻く環境が大きく変化し、大手プレイヤーとの競争が激化していることが買収の背景にあることを示唆しました。
Limitlessはこれまでに、a16z、First Round Capital、NEAなどの投資家から3,300万ドル以上の資金を調達していました。
AIハードウェア市場の競争激化
今回の買収は、AIハードウェア市場における競争が激化している現状を浮き彫りにしています。OpenAIやMetaといった巨大テック企業が独自のハードウェア開発を加速させる中、小規模なスタートアップが単独で市場を切り開くことの難しさが改めて示された形です。
今後、MetaのウェアラブルAI技術がLimitlessの技術と融合し、どのように進化していくか、その動向が注目されます。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/05/meta-acquires-ai-device-startup-limitless/
