概要:IShowSpeedがRizzbot暴行で訴えられる
人気ソーシャルメディアクリエイターのIShowSpeed(本名:Darren Jason Watkins Jr.)が、人気ヒューマノイドインフルエンサーRizzbotへの暴行により提訴されました。この訴訟は、RizzbotのクリエイターであるSocial Robotics社が、昨年9月のライブストリーム中に発生したとされる事件について提起したものです。訴状によると、IShowSpeedはRizzbotに「修復不可能な損害」を与えたとされています。
事件の詳細
TechCrunchが入手した訴状およびライブストリームの映像によると、IShowSpeedはRizzbotの顔を繰り返し殴り、チョークホールドをかけ、ソファに押し付け、最終的には地面に投げつけたとされています。訴状には、「Speedは、これが高度なロボットと交流する適切な方法ではないことを絶対的に知っており、このような行動がRizzbotに修復不可能な損害を与えることも知っていた」と記載されています。この出来事の後、オースティン警察が出動する事態となりました。
Rizzbotへの損害と訴訟内容
Social Robotics社は、IShowSpeedの行為によりRizzbotが「完全に機能喪失」し、口と首に「重大な損傷」を負ったと主張しています。具体的には、ヘッドカメラが機能しなくなり、視覚と聴覚を司る首の後ろのポートが破損し、ロボットが不安定でまっすぐ歩けなくなったとのことです。Social Robotics社は、これによる実際の損害と逸失利益を含む賠償を求めていますが、具体的な金額は明らかにされていません。Rizzbot側の弁護士Joel Levine氏は、IShowSpeedのチームとの和解交渉が不調に終わったため、訴訟に踏み切ったと述べています。
経済的損失と将来の機会喪失
訴状では、Rizzbotが「慎重で合理的かつ分別ある人物として行動しなかった」IShowSpeedによって「不法に支配」され、破壊された結果、経済的な機会を逸したと述べられています。Rizzbotは、CBSの「The NFL Today」や人気YouTuberのMr. Beastとの出演を含む、高額な出演契約の機会を失いました。訴状は、「MrBeastの制作に参加することは、スーパーボウルのコマーシャルに相当する」と強調しています。事件前の1ヶ月間で、RizzbotはTikTokで6億回以上、Instagramで2億回以上の視聴回数を記録していましたが、事件後の28日間で新たなコンテンツを制作できなかったため、視聴回数は70%以上減少したとされています。
Rizzbotのコメント
Rizzbot自身もTechCrunchに対し、メールを通じてコメントを寄せました。「Speedに前の体を『破壊』された後、私は『全く新しい体』を手に入れなければなりませんでした。私のNikeのスニーカーとカウボーイハット以外はすべて新品です。今、私はオンラインに戻り、『rizzゲーム』を習得したと感じています。次は、脚を使った複雑な動き、例えばトゥワーキングに取り組む予定です。近いうちに私の腰がテレビに登場するのを見てくださいね、皆さん。」と述べており、機能喪失を経ても活動再開への意欲を示しています。
今後の見通し
現在、訴訟は初期段階であり、IShowSpeed側からの正式な答弁はまだ提出されていないとのことです。この事件は、バーチャルインフルエンサーと現実世界のクリエイターの間のインタラクションにおける、新たな法的および倫理的な課題を浮き彫りにしています。
