はじめに:Parrot OSの次世代への飛躍
セキュリティ指向のオペレーティングシステムとして知られるParrot Security OSは、待望の7.0ベータ版を発表しました。このリリースは、最新のDebian 13「Trixie」への統合と、デスクトップ環境の全面的な刷新という、二つの重要なマイルストーンを特徴としています。この新バージョンは、ユーザーエクスペリエンスと開発者ワークフローの両方を向上させるための、大幅な安定性改善とインフラの近代化をもたらします。
開発体制の強化と迅速なアップデート
開発チームはParrotの基盤再構築に多大な労力を費やしました。ISOイメージと仮想マシンのビルドスクリプトには、高度な自動化機能が導入され、これにより毎週のイメージ生成サイクルが可能になりました。これは、ユーザーと開発者が最小限の遅延で、常に最新のバージョンにアクセスできることを意味します。
コアコンポーネントとパフォーマンスの向上
- 主要コンポーネントのアップグレード: parrot-core、parrot-interface、calamares-settings-parrot、およびparrot-themesといったコアシステムコンポーネントが包括的にアップグレードされました。
- マルチデスクトップ環境サポートの強化: 複数のデスクトップ環境へのサポートが向上しています。
- スクリプトの書き換え: parrot-menuスクリプトは、パフォーマンスと保守性を高めるため、NimからGo言語へと完全に書き換えられました。
- /tmpの最適化: 一際注目すべきは、/tmpディレクトリがRAM上のtmpfsとしてマウントされるようになった点です。これにより、パフォーマンスが大幅に向上し、SSDの消耗が軽減されます。一時ファイルデータはシステム再起動時にクリアされます。
視覚的な統一性とデスクトップ環境の転換
Parrot OSの特徴である緑と黒を基調としたターミナルのスタイルは、オペレーティングシステム全体に拡張されました。このデザイン決定は、将来の近代化目標とブランドの一貫性へのチームのコミットメントを示しています。
最も大きな変更点の一つとして、ParrotはMATEからKDEをプライマリかつ公式のデスクトップ環境として移行します。KDEはWaylandサポート、Qt6の近代化、HiDPI/4Kモニター処理の改善、システム設定の強化など、大幅な進化を遂げたことが評価されました。MATEは引き続きコミュニティサポートを受け、Parrot 7の正式リリース時には移行ガイダンスが提供される予定です。
aptインターフェースの改善
このアップデートでは、aptの再設計されたテキストインターフェースも導入されています。色分けされた出力、適切に整列されたカラム、依存関係の問題やパッケージ削除のより分かりやすい表示が特徴で、ユーザーエクスペリエンスがさらに向上しています。
Parrot OS 7.0ベータ版は、セキュリティプロフェッショナルや開発者にとって、より堅牢で効率的な環境を提供することを目指しています。
元記事: https://gbhackers.com/parrot-7-0-beta-introduces-debian-13-and-a-fully-redesigned-desktop/
