アドビ、ChatGPTにPhotoshop、Express、Acrobatの機能を統合

ChatGPTへの統合で広がるクリエイティブの可能性

アドビは、AIを活用してより多くのユーザーを自社の製品エコシステムに取り込む戦略の一環として、Photoshop、Express、およびAcrobatの主要機能をChatGPTに統合しました。これにより、ユーザーはChatGPTに指示を出すだけで、**画像の編集、PDFの修正、または要素のアニメーション化**といったAdobeアプリケーションの強力な機能を利用できるようになります。

この動きは、ChatGPTのような生成AIプラットフォームが多様なアプリケーション機能を取り込み、ユーザーのワークフローを合理化する大きなトレンドを示しています。アドビの製品群は、クリエイティブプロフェッショナルから日常のドキュメント作業を行う一般ユーザーまで幅広く利用されており、今回の統合は広範なユーザー層に影響を与える可能性があります。

各アプリケーションが提供する新機能

具体的な機能としては、以下の通りです。

  • Photoshopとの連携: ChatGPTを介して、**画像の特定部分を編集**したり、**背景の削除やぼかし**を行ったり、露出、明るさ、コントラストを調整したり、さまざまなエフェクトを適用したりできるようになります。エフェクトの強度もスライダーで調整可能です。
  • Expressとの連携: 既存のデザインライブラリからアセットを呼び出したり、**テーマ別のクリエイティブを作成**したり、**要素のアニメーション化**、デザインの編集などがChatGPTからの指示で可能になります。
  • Acrobatとの連携: PDF編集機能として、**複数のファイルを結合**したり、ファイル内の**テキストやテーブルの編集・抽出**などができるようになります。

また、ユーザーはChatGPT内での作業に満足できない場合、**Adobeの各アプリケーション内で作業を続行し、より詳細な編集を行う**オプションも提供されます。

利用可能なプラットフォームと今後の展望

これらの新機能は、**デスクトップ、ウェブ、iOS版のChatGPTでグローバルに利用可能**です。現時点では、Android版ChatGPTではAdobe Expressのみがサポートされていますが、PhotoshopとAcrobatのサポートも近日中に追加される予定です。

アドビは今年、AIを活用した機能や製品を数多く発表しており、10月にはExpressとPhotoshop向けのAIアシスタントをリリースし、クロスアプリアシスタント「Project Moonlight」も予告していました。今回のChatGPTとの統合は、同社のAI戦略がさらに加速していることを明確に示しています。

拡大するChatGPTエコシステムと競争

OpenAIは、昨年10月からChatGPT内でサードパーティアプリのサポートを開始しており、Canva、Spotify、Expedia、Figmaなどが既に統合されています。このような動きは、ChatGPTが単なるチャットボットではなく、多様なツールを統合したプラットフォームへと進化していることを示しています。

しかし、この拡大するエコシステムの中では、企業は**ユーザーに競合他社のアプリではなく、Adobeのアプリを選択するよう促す**という新たな課題に直面します。例えば、画像編集にはCanvaとPhotoshopの両方がChatGPT内で利用可能となるため、ユーザーの選択が重要になります。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/10/adobe-brings-photoshop-express-and-acrobat-features-to-chatgpt/