「フレンドスロップ」の台頭:2025年のCo-opゲーム界を席巻
2025年は協力型インディーゲームにおいて「フレンドスロップ」と呼ばれる新たなジャンルが台頭し、ゲーマーたちの間で熱狂的な人気を博しました。友人とのプレイに特化し、ユーモアを重視するこれらの低価格ゲームは、従来のCo-opゲームとは一線を画しています。「Lethal Company」の系譜を受け継ぐ「REPO」や、同様のヒット作「Peak」などがその代表例です。
「フレンドスロップ」ゲームの定義と特徴
「フレンドスロップ」という言葉は、当初は否定的な意味合いで使われましたが、今やその特徴を的確に表すものとして受け入れられています。主な特徴は以下の通りです。
- 友人との協力プレイに最適化されている。
- ユーモアが重視される。
- 通常、PCゲームである。
- 価格は20ドル未満の低価格。
- 近接ボイスチャット機能を搭載。
- 奇妙なゲーム物理が楽しめる。
- ジャンルはサバイバルホラーが多いが、より明るい雰囲気のゲームも存在する。
これらのゲームでは、失敗しても大惨事にはならず、むしろその滑稽さが笑いを誘うという点が共通しています。
代表的な「フレンドスロップ」タイトル
2025年に登場した様々な「フレンドスロップ」ゲームが、このジャンルの多様性を示しています。
- 「REPO」: 「Lethal Company」に似たサバイバルホラーだが、コミカルなロボットアバターで恐怖よりも笑いを誘う。
- 「Peak」: 友人と共に危険な山々を登る、より軽快な「スロップ」ゲーム。
- 「Guilty as Sock!」: 靴下人形となって法廷劇を繰り広げるロールプレイングゲーム。
- 「Lockdown Protocol」: 「Among Us」に触発され、一人が妨害工作を行う。
- 「Mage Arena」: わずか2.99ドルと最安値帯で、声に出して呪文を唱えるユニークな魔法バトルゲーム。
勝利よりも「笑い」を追求するゲームプレイ
これらのゲームの最大の目的は、プレイヤー間のユーモアと共有体験です。「Peak」を例に挙げると、筆者は一度もクリアしたことがないにも関わらず、友人が山から落ちたり、毒のある食べ物を食べたり、追われたりするのを見て笑い続けることができるため、プレイを続けています。深いストーリーや複雑なプロットは期待すべきではありません。また、一人でプレイすると魅力が半減してしまう点も指摘されています。「REPO」も、花瓶を割るたびに笑ってくれる友人がいなければ同じではありません。
「フレンドスロップ」が持つ「批評」と「真価」
「フレンドスロップ」というレッテルが貼られた主な理由の一つに、「バイラルになりやすい瞬間」に特化しており、それ以上の内容に欠けるという批判があります。特に一人でプレイした際に面白さが失われるという点は、このジャンルの大きな欠点と見なされることもあります。しかし、これは「フレンドスロップ」の本質を見誤っている可能性があります。
2025年に「フレンドスロップ」が人気を博した背景
「フレンドスロップ」ゲームの最大の強みは、そのとっつきやすさにあります。集中力やスキル、戦略が求められる「Elden Ring Nightreign」のような大作とは異なり、「REPO」はモンスターに気をつけながらゴミを拾うといった、比較的簡単なタスクが中心です。また、以下の点がその人気を後押ししました。
- 手頃な価格: 多くのゲームの価格が高騰する中で、低価格で提供。
- 低いハードウェア要件: 最新の高性能PCを必要とせず、幅広いゲーマーがアクセス可能。
- 学習の容易さ: 複雑なルールを覚える必要がなく、すぐに楽しめる。
2025年はゲーム全体の価格が高騰し、ゲーミングPCのハードウェアも手の届きにくいものになった年でした。このような状況で、「フレンドスロップ」はゲーマーにとって手軽に友人と遊び、笑い合うための「オアシス」を提供しました。
開発者も認める「フレンドスロップ」の魅力
「Peak」のパブリッシャーであるAggro Crabのコミュニティマネージャー、Paige Wilson氏も「フレンドスロップ」という言葉を肯定的に捉えています。彼らは「この言葉は当初、ネガティブな意味合いで始まったが、我々は常に面白く、そして実に正確な表現だと考えていた」と述べています。「フレンドスロップ」は、低コストで、友人といつでも気軽に手に取って楽しめる、多少の荒削りさも魅力として受け入れられるゲームを表しています。結局のところ、「フレンドスロップ」の真髄は、ゲームそのものよりも、誰とプレイするかにあるのです。
元記事: https://www.theverge.com/entertainment/845347/friend-slop-co-op-games-2025
