未発表の「Trump Phone Ultra」が登場か?:謎多きモバイル事業の動向

はじめに

かねてより発表が待たれている「Trump Phone(T1)」の発売が遅れる中、Trump Mobile社の幹部が「T1 Ultra」と呼ばれる上位モデルの開発を示唆し、IT業界に新たな波紋を広げています。しかし、まだ実機が市場に出ていないにもかかわらず「成功」を語る同社の主張には、多くの疑問が投げかけられています。

「Trump Phone Ultra」発表の背景

Trump Mobile社の幹部であるドン・ヘンドリクソン氏は、昨年11月に業界誌「Wireless Dealer Magazine」のインタビューで、今後の主要なステップとして「T1 Ultra」の立ち上げに言及しました。彼は、同社が「顧客と共に進化し、彼らの生活に合ったよりパワフルなツールを提供することに注力している」と述べ、T1 Ultraが「オリジナルのT1の成功に基づき、強化されたパフォーマンス、アップグレードされた機能、そして同じく『アメリカを誇るデザイン』を備えたプレミアムデバイス」になると説明しています。

T1 Ultraの概要と期待

「Ultra」という名称から想像されるように、新モデルは「強化されたパフォーマンス」と「アップグレードされた機能」を特徴とするようです。ヘンドリクソン氏のコメントは詳細に乏しいものの、SamsungのGalaxy S Ultraシリーズのように、最新の高性能チップ高度なカメラシステムを搭載し、価格も1,000ドル以上になる可能性が示唆されています。オリジナルのT1が499ドルというミッドレンジ価格帯を目指していたことから、T1 Ultraは大幅なスペック向上と価格帯の多様化を目指すものと見られます。

既存モデルT1の現状と疑問

しかし、T1 Ultraの発表には多くの疑問が付きまといます。オリジナルモデルのT1は、発表から5ヶ月以上が経過してもいまだ発売されておらず、民主党議員からはFTC(連邦取引委員会)に対し調査を求める声も上がっています。ヘンドリクソン氏がT1の「成功」を語る一方で、どれだけの予約金(100ドル)が集まっているのかも不透明な状況です。また、ヘンドリクソン氏が「顧客は…排他的なT1 Ultraフォンに惹かれ」「購入に熱心である」と述べた点も、発表前の製品に対しての言及としては不自然であり、情報が錯綜している可能性も指摘されています。

「American-proud design」と製造について

T1 Ultraは、オリジナルT1と同様に「アメリカを誇るデザイン」を持つとされています。以前、Trump Mobileが「アメリカ製」を強調しつつも撤回した経緯があるため、この表現が具体的に何を意味するのか、製造拠点はどこになるのかが注目されます。純金製のiPhoneケースが16,000ドルで販売される市場が存在する中で、この「アメリカを誇るデザイン」がどこまで競争力を持ち得るのかも議論の的となっています。

Trump Mobileと「Trump℠」の商標

ヘンドリクソン氏は、自身がTrump Mobileのアイデアの発案者であり、トランプ氏に「ビジネスだけでなくムーブメントを構築する方法を知っている」とアプローチしたと語っています。また、Trump Mobileのウェブサイトなどで見られる「Trump℠」という表記は、サービスマーク(物理的な製品ではなくサービスに使用される商標の変形)であり、トランプ氏のモバイル業界における商標登録が出願中であることを示唆しています。これは、同社の事業がまだ「フィクション」の要素を多く含んでいることを象徴しています。

まとめ

未発表の製品に関して次期モデルが示唆されるという異例の状況は、Trump Mobile事業の不透明さを浮き彫りにしています。オリジナルのT1の発売状況、実際のスペック、そしてビジネスモデルの実現可能性について、今後も詳細な情報が待たれるところです。


元記事: https://www.theverge.com/news/866601/trump-mobile-t1-ultra-phone-don-hendrickson-interview