概要:2025年10月のセキュリティアップデート
Microsoftは、Windows 11向けにKB5066835およびKB5066793累積アップデートをリリースしました。これらのアップデートは、セキュリティ脆弱性の修正と既存の問題の解決を目的としており、2025年10月の「Patch Tuesday」セキュリティパッチが含まれるため、すべてのユーザーに必須となっています。
ユーザーは、「設定」>「Windows Update」から「更新プログラムのチェック」をクリックするか、Microsoft Update Catalogから手動でダウンロードしてインストールできます。
アップデートの詳細と対象バージョン
今回のアップデートは、Windows 11の複数のバージョンを対象としています。
- KB5066835:バージョン25H2および24H2向け。インストール後、ビルド番号は25H2でBuild 26200.6899、24H2で26100.6899に変更されます。
- KB5066793:バージョン23H2向け。インストール後、ビルド番号は226×1.6050に変更されます。
特に、Windows 11バージョン23H2は2025年11月にサポートが終了するため、今回のアップデートは最後から2番目の重要な更新となります。
主要な改善点と修正
今回のアップデートには、セキュリティ関連を含む多くの修正と改善が含まれています。
- ブラウザ関連:Chromiumベースのブラウザで印刷プレビューが応答しなくなる問題が修正されました。
- ゲーム関連:ゲームパッドのみでWindowsデバイスにサインインした際、その後のアプリやゲームが入力に応答しない問題が解決されました。
- PowerShellとWinRM:PowerShell RemotingおよびWindows Remote Management (WinRM) でコマンドが10分後にタイムアウトする問題が修正されました。
- 監査イベント:監査イベントがログに記録されない問題が修正され、システム監視の信頼性が向上しました。
- Windows Hello:USB赤外線カメラモジュール使用時のWindows Hello顔認証セットアップにおけるエラーメッセージの問題が解決されました。
- 互換性:ltmdm64.sysドライバーが削除されました。このドライバーに依存するFaxモデムハードウェアは動作しなくなります。
新機能とAIを活用した強化
今回のアップデートでは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための新機能やAIを活用した強化も導入されています。
- Click to Do:新しいアクションタグと、より簡潔で焦点を絞った要約を提供する「Summarize」アクションが追加されました。
- 設定内のエージェント:エージェントの検索結果から対応する設定ページへの直接ナビゲーションリンクが利用可能になりました。
- デスクトップ:輝度、音量、機内モード、仮想デスクトップのハードウェアインジケーターを画面上の異なる位置に移動できるようになりました。
- タスクバー:IT管理者がexplorer.exeを再起動することなくピン留めポリシーを適用できるようになり、ポリシー適用後約8時間以内にタスクバーにピンが表示されます。
- ファイルエクスプローラーのAIアクション:ファイルエクスプローラー内でAIを活用した画像編集やドキュメント要約が可能になりました(EEA地域を除く)。
- 画像アクション:.jpg、.jpeg、.pngファイルで「Visual Search」(画像検索)、「Blur Background」(背景ぼかし)、「Erase Objects」(オブジェクト消去)、「Remove Background」(背景削除)の4つのAI機能が利用できます。
- Microsoft 365でのAIアクション:Copilotの「Summarize」アクションにより、OneDriveやSharePointに保存されたファイルの要約を迅速に生成できます(Microsoft 365サブスクリプションとCopilotライセンスが必要)。
- Windows共有:Windows共有ウィンドウでお気に入りのアプリをピン留めできるようになりました。
- 詳細設定:再設計された「詳細設定」ページ(旧「開発者向け」ページ)が導入され、Gitの詳細(ブランチ、差分数、最終コミットメッセージ)をファイルエクスプローラーで直接確認できるようになりました。
- 入力:新しいキーボードショートカット(Windowsロゴキー + マイナス(-) でenダッシュ、Windowsロゴキー + Shift + マイナス(-) でemダッシュ)でダッシュを挿入できるようになりました。スリープからの復帰後にタッチ入力が機能しない問題も修正されました。
- ナレーター:Braille Viewerが追加され、Wordでの読み上げ機能が改善されました。
- パスキー:Windows 11にプラグインパスキーマネージャーとのシームレスな統合が導入され、既存のパスキーの使用や新しいパスキーの保存が可能になりました。
既知の問題
Microsoftは、今回のアップデート後に一部のデジタルTVおよびBlu-ray/DVDアプリで保護されたコンテンツが期待通りに再生されない可能性があるという既知の問題を認識しています。これは、Enhanced Video RendererとHDCP強制またはデジタル著作権管理 (DRM) を使用するアプリに影響し、著作権保護エラー、頻繁な再生中断、予期せぬ停止、または黒い画面が発生する可能性があります。
元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/windows-11-kb5066835-and-kb5066793-updates-released/