革新的な建材で建設の未来を拓く
チリのスタートアップ、Strong by Formが、2025年10月27日から29日にサンフランシスコで開催されるTechCrunch Disrupt 2025で、その画期的な超軽量エンジニアードウッドを発表します。この新素材は、建物の構造床においてコンクリートや鉄骨の代替となり、より軽量で炭素排出量の少ない建築物の設計を可能にすることで、建設業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
製品の概要と革新性
Strong by Formが開発したエンジニアードウッドは、既存のエンジニアードウッドよりも長い距離(最大10メートル)を支えることができ、鉄骨やコンクリートの代替として機能します。同社の共同創設者兼CEOであるAndrés Mitnik氏によると、この製品は従来のCLT(直交集成板)スラブと同様に扱えるため、建設現場での新たな学習は不要です。しかし、その内部構造は大きく異なります。木材の削りくずを波状のボードに圧縮し、重い荷重に最適化された空洞が内部に充填されています。Mitnik氏はこれを「次世代OSB(配向性ストランドボード)」と表現しており、木材の繊維のサイズと配置を調整する独自のソフトウェアと製造技術が用いられています。
環境への貢献と経済性
世界的に、建材と建設は世界の炭素排出量の11%を占めており、Strong by Formの製品は、この環境負荷を軽減する大きな可能性を秘めています。このエンジニアードウッドは、従来の建材よりも軽量であるため、建物全体の構造を最適化し、鉄骨やコンクリートの使用量を減らすことができます。Mitnik氏は、初期費用は高いものの、構造全体の軽量化による追加の節約により、最終的にはコンクリートと同等の価格同等性を達成できると述べています。
今後の展望と応用
現在、Strong by Formは10メートルパネルの耐火性および耐荷重性のテストを進めており、構造エンジニアの要件を満たすことを確認しています。今後は、商業展開に向けた最初の製品を生産するためのパイロットプラント建設のため、1,000万ドルを目標とするシリーズA資金調達を予定しています。また、同社は構造用途ではない厚さ3ミリメートルのパネルも開発しており、列車の内装に使用することで、美観を向上させつつ車両の軽量化に貢献しています。このパネルは、構造床の研究開発資金を賄う役割も果たしています。
TechCrunch Disrupt 2025での発表
Strong by Formは、TechCrunch Disrupt 2025のStartup Battlefield Top 20ファイナリストとして、その革新的な技術を披露します。このイベントは、サンフランシスコで2025年10月27日から29日まで開催され、多くのスタートアップ、投資家、業界リーダーが集結します。
