電動航空スタートアップBeta Technologies、NYSE上場初日に10億ドル調達し好調な滑り出し

NYSE上場と資金調達の成功

電動航空スタートアップのBeta Technologiesが、2025年11月4日火曜日にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、初日を好調に終えました。同社は10億ドルを超える資金調達に成功し、株価も上昇しました。

IPO価格は1株あたり34ドルと、予測範囲の27ドルから33ドルを上回る設定でした。Beta Technologiesは2,990万株を売却し、74億ドルの評価額で10億ドル以上を調達しました。取引開始後、株価は一時下落したものの回復し、最終的に36ドルで取引を終えました。

Beta Technologiesの独自のアプローチ

Beta Technologiesの公開市場デビューは、創業者兼CEOであるカイル・クラーク氏の航空会社設立に対する型破りなアプローチの集大成です。2017年に同社を設立したクラーク氏は、ハーバード大学を卒業した元プロホッケー選手であり、パイロットインストラクターでもあります。

彼はシリコンバレーを避け、ベンチャーキャピタルを経由しないという、一般的なスタートアップ創業者の道を選びませんでした。代わりに、同社はフィデリティやカタール投資庁などの機関投資家から11億5,000万ドルを調達しています。アマゾンとゼネラル・エレクトリックも主要な投資家です。

また、政府機関閉鎖中にもかかわらずIPO書類を提出するという異例の動きを見せました。これは、SECのガイダンスに基づき、20日後に自動的に有効となる仕組みを利用したものです。クラーク氏は、投資家とのロードショーに時間をかけることで、同社の技術と戦略への理解が深まり、結果として大幅な応募超過につながったと述べています。

製品と事業戦略

クラーク氏は、株価の着実で緩やかな成長を望んでおり、現在は連邦航空局(FAA)による電動航空機の商業認証に注力しています。Beta Technologiesは航空セクターのOEM(相手先ブランド製造業者)を目指しています。

同社は2種類の電動航空機を設計しています:

  • Alia CX300 eCTOL:地域フライト向けの従来の電動航空機。
  • Alia A250 eVTOL:都市環境向けの電動垂直離着陸機。

さらに、Beta TechnologiesはEV航空機充電事業も展開しており、Archer Aviationがその顧客となっています。

財務状況

Beta TechnologiesのIPO規制文書によると、同社は収益を上げていますが、まだ収益性には達していません。2025年上半期の収益は1,560万ドルで、2024年同期の2倍となりました。しかし、純損失も同期間に約3分の1増加し、1億8,300万ドルに達しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/04/beta-technologies-ends-first-day-on-nyse-in-the-green-and-1b-raised/