クアルコム、ハイエンドながらも「非Elite」版Snapdragon 8 Gen 5を発表

次世代スマートフォン向け「非Elite」チップが登場

クアルコムは、以前発表した最上位モデル「Snapdragon 8 Elite Gen 5」の「非Elite」バージョンであるSnapdragon 8 Gen 5を正式に発表しました。この新しいチップは、より手頃な価格帯のフラッグシップスマートフォンをターゲットにしており、性能面ではEliteモデルから一部調整が加えられています。

性能向上とEliteモデルとの比較

Snapdragon 8 Gen 5は、2023年に登場したSnapdragon 8 Gen 3と比較して、大幅な性能向上を実現しています。具体的には、CPU性能が36%向上し、GPU性能も11%向上しているほか、電力効率の改善も見られます。

しかし、最新の8 Elite Gen 5と比較すると、CPUのクロック速度には違いがあります。8 Gen 5のOryon CPUは、6つのパフォーマンスコアが最大3.32GHz、2つのプライムコアが3.8GHzで動作するのに対し、Elite版ではそれぞれ3.62GHzと4.6GHzと、より高いクロック速度を誇ります。この差は、理論上はEliteモデルに対して性能が劣ることを示唆していますが、実際のデバイスでの体験がどうなるかは注目されます。

「Elite」モデルからの主な変更点

新しいSnapdragon 8 Gen 5は、Eliteモデルと同じコア機能セットを保持しつつも、いくつか変更点があります。主な違いは以下の通りです。

  • モデム性能: X80モデムのピーク5G通信速度がElite版よりもわずかに遅くなります。
  • グラフィック・AI性能: Adreno GPUおよびHexagon AI NPUのスペックが若干引き下げられています。
  • ストレージ: 最新のUFS 4.1ストレージには対応していません。

一方で、充電機能、ディスプレイサポート、そしてカメラハードウェアの大部分はEliteモデルと同一であり、多くの主要機能は維持されています。

市場への投入と採用メーカー

クアルコムによると、すでにMotorola、OnePlus、Vivoといった複数の主要スマートフォンメーカーが、このSnapdragon 8 Gen 5を搭載した新製品を投入する意向を示しています。最初のデバイスは「数週間以内」に登場する予定で、特にOnePlus 15Rが12月17日に米国で発表されることが決定しており、このチップを搭載する可能性が示唆されています。


元記事: https://www.theverge.com/news/828959/qualcomm-snapdragon-8-gen-5