AIで抜け毛診断?:MyHair AIの誕生
2025年11月26日、TechCrunchは、AIを活用して抜け毛を診断するスタートアップ「MyHair AI」の急成長について報じました。創業者のCyriac Lefort氏(32歳)が2年前に経験した出来事が、このビジネスアイデアの原点です。ニューヨークのヘアサロンで美容師に「少し髪が薄くなり始めていますね」と言われたことがきっかけで、Lefort氏は抜け毛業界の混乱と誤情報に気づきました。この個人的な経験から、AIを用いて男性の抜け毛診断を支援する製品の必要性を感じたのです。
MyHair AIとは?:その革新的な仕組み
連続起業家であるLefort氏は、Tilen Babnik氏(28歳)と協力し、わずか数週間でMyHair AIのプロトタイプを開発しました。このアプリは、ユーザーが自分の頭部の写真をアップロードすると、AI技術が髪の密度を分析し、抜け毛の兆候を早期に検出します。さらに、複数枚の写真を時系列で分析することで、個人の抜け毛の進行状況を追跡し、パーソナライズされた抜け毛予防ルーティンを構築するのに役立ちます。また、プラットフォームを通じて専門家やクリニックを見つけ、検証済みのレビューを読むことで、ユーザーが誤った情報に惑わされることなく適切なケアを受けられるよう支援します。
Lefort氏は、「当社のAIは、ユーザーの髪に何が起こっているかを正確に伝え、髪質に合った製品を提案し、考えられる副作用を含め、その科学的根拠を説明します。500億ドル規模のこの市場に透明性と医学的正確性をもたらすことで、髪の健康の理解、治療、購買行動を完全に再編できると信じています」と述べています。
急成長の裏側:創業者のビジョンと成功要因
MyHair AIは、約1年間のアイデア検討、数週間のプロトタイプ開発、数ヶ月間の科学的・臨床的検証を経て、この夏に正式ローンチしました。当初のプロトタイプは「vibe coding」(直感的なコーディング)によって開発され、外部の人員を雇うことなく迅速に市場投入されました。現在では、製品の成長に伴い、エンジニアがコードの堅牢性と拡張性を確保しています。
同社は既に1,000人以上の有料会員と20万人のユーザーアカウントを獲得しており、これまでに30万枚以上の頭皮写真を分析してきました。専門家やクリニックとの提携も進んでおり、彼らもMyHair AIを活用して患者の評価をより迅速に行っています。最近では、著名な皮膚科医であるTess博士が取締役会に加わったことも発表されました。
今後の展望と市場への影響
Lefort氏によると、MyHair AIは、30万枚以上の毛髪画像を学習させた専用のAIモデルを使用している点で、一般的なLLM(大規模言語モデル)を利用する競合他社とは一線を画しています。
同社は現在、さらなる事業拡大に注力しており、予約プラットフォームの構築や、より多くのクリニックとの提携を目指しています。Lefort氏は、「男性は健康に関して、性機能障害と抜け毛の2つのことを心配しています。私たちは、日々の最大の懸念の一つに対処しています」と語り、実世界で機能するAIの構築に意欲を示しています。
元記事: https://techcrunch.com/2025/11/26/are-you-balding-theres-an-ai-for-that/
