Zillow、物件情報からの気候リスク表示を停止 – 不動産市場への影響を懸念

不動産サイトZillow、気候リスク評価の掲載を中止

大手不動産情報サイトZillowは、物件情報に表示していた火災、洪水、暴風雨などの気候リスク評価の掲載を停止しました。この変更は、気候リスクスコアが物件の魅力度を低下させるという懸念を受けてのものです。

昨年導入された気候リスク評価機能

Zillowは昨年、気候モデリング企業First Streetのデータを利用し、洪水、山火事、強風、猛暑、大気質の悪化など、極端な気象条件による物件の脆弱性を予測する機能を導入していました。これは、気候変動が不動産に与えるリスクが増大する中で、購入者がより情報に基づいた意思決定を行えるようにするためのものでした。

変更の背景と不動産業界からの声

今回の変更は、カリフォルニア地域複数リスティングサービス(CRMLS)がFirst Streetのリスクモデルの精度について苦情を申し立てたことを受けて、今月初めに実施されました。

CRMLSの最高経営責任者であるアート・カーター氏は、The New York Timesに対し、「特定の物件が今年または今後5年以内に洪水に見舞われる可能性を表示することは、その物件の認識される魅力度に大きな影響を与える可能性がある」と述べており、気候リスク情報が不動産市場に与える影響について強い懸念を示していました。

今後の情報提供と課題

現在、Zillowの販売物件リストからは気候リスク評価が削除され、代わりにユーザーはFirst Streetのウェブサイトへのリンクを通じて、個別に物件の気候リスクスコアを確認できるようになりました。

First Streetのデータによると、政府の推計よりもはるかに多くの物件が洪水のリスクにさらされているとされており、気候変動が不動産市場に与える影響と、その情報をどのように開示するべきかという問題は、今後もITおよび不動産業界における重要な課題として議論されることでしょう。


元記事: https://www.theverge.com/news/834715/zillow-removes-flood-fire-risk-scores-home-listings