2025年、AIが牽引するユニコーンブーム:80社以上の新興企業が評価額10億ドル超え

はじめに:2025年、ユニコーン誕生の年

2025年に入り、少なくとも80以上の新たなテック系スタートアップ企業がユニコーン(評価額10億ドル超)の地位を獲得しました。これは、特にAI分野における投資家の熱狂的な関心によって大きく牽引されています。TechCrunchがCrunchbaseとPitchBookのデータに基づいて追跡した結果、AI関連企業が多数を占める一方で、衛星、ブロックチェーン、医療といった多様な産業からも驚くべき数の企業がユニコーンの仲間入りを果たしています。

AIブームが牽引する成長

2025年のユニコーン企業の多くは、AI関連の技術やサービスを提供しています。これは、AIが様々な産業の変革を促し、投資家の大きな期待を集めている現状を明確に示しています。

  • Genspark(評価額12.5億ドル):AIエージェントによるタスク自動化。
  • Gamma(評価額21億ドル):AI生成ビジュアル(ウェブサイトなど)開発。
  • Modal(評価額11億ドル):AIクラウドコンピューティングプラットフォーム。
  • Fireworks AI(評価額40億ドル):オープンソースモデル向けAIインフラ。
  • LangChain(評価額13億ドル):エージェントエンジニアリングプラットフォーム。
  • Reflection(評価額80億ドル):オープン基盤モデル開発。
  • Baseten(評価額22億ドル):AIモデルの推論・展開支援。
  • Distyl(評価額18億ドル):AIネイティブワークフロー生成・展開。
  • Modular(評価額16億ドル):AIシステム更新のためのAIインフラプラットフォーム。
  • Eve(評価額11億ドル):法律AIプラットフォーム。
  • Reka(評価額10億ドル):AIモデルビルダー。
  • Ambience(評価額12.5億ドル):AI医療事務サービス。
  • Anaconda(評価額15億ドル):オープンソースワークフローソリューションを提供するAIプラットフォーム。
  • Decagon(評価額15億ドル):カスタマーサービスAIエージェント。
  • Thinking Machines(評価額100億ドル):AI研究。

多様化するユニコーン市場:AI以外の注目分野

AIの躍進が目立つ一方で、2025年にはAI以外の幅広い分野からも、革新的なビジネスモデルや技術を持つ企業がユニコーンの地位を確立しています。これは、テック業界全体の活況と多様なイノベーションの広がりを示唆しています。

  • Loft Orbital(衛星関連):既存の部品を使い衛星を構築。
  • Kalshi(評価額20億ドル):ブロックチェーンベースの予測市場。
  • Substrate(評価額10億ドル):半導体製造。
  • Shop My(評価額15億ドル):マーケティング&アフィリエイトプラットフォーム。
  • New Limit(評価額16億ドル):精密医療。
  • Tempo(評価額50億ドル):ブロックチェーン決済。
  • Lila(評価額13億ドル):ライフサイエンスの発見。
  • Stoke(評価額20億ドル):持続可能なロケット開発。
  • Apex(評価額10億ドル):市販コンポーネントを用いた衛星開発。
  • You.com(評価額15億ドル):企業向けAIプラットフォーム。
  • Enveda(評価額12億ドル):医薬品開発分析プラットフォーム。
  • Filevine(評価額30億ドル):法律ケース管理。
  • PsiQuantum(評価額70億ドル):量子コンピューティング。
  • Invisible(評価額20億ドル):製造ソフトウェアに統合されるAI技術。
  • Flying Tulip(評価額10億ドル):分散型取引プラットフォーム。
  • Thyme Care(評価額15億ドル):個別化がん治療を提供する腫瘍学プラットフォーム。
  • Strive Health(評価額18億ドル):腎臓病患者向けの腎臓ケア。
  • Base(評価額40億ドル):家庭用バックアップバッテリー。
  • Posthog(評価額14億ドル):DevOpsツール。
  • Shrapnel(評価額11億ドル):ビデオゲーム開発。
  • Fal(評価額40億ドル):開発者向け画像・動画・音声作成プラットフォーム。
  • CompanyCam(評価額20億ドル):AIを活用した現場管理プロジェクト管理プラットフォーム。
  • Field AI(評価額20億ドル):ロボット自律操作AI。
  • Periodic Labs(評価額10億ドル):材料科学。
  • Polymarket(評価額90億ドル):取引・賭博プラットフォーム。
  • Castellion(評価額28億ドル):軍事システム製造。
  • Also(評価額10億ドル):電動モビリティ。
  • MaintainX(評価額25億ドル):チームパフォーマンス評価・作業指示管理ソフトウェア。
  • Tala Health(評価額12億ドル):AIを活用したバーチャルケア提供のパーソナルヘルスケア。
  • Substack(評価額11億ドル):ニュースレタープラットフォーム。
  • Erebor(評価額20億ドル):(ステルスモード)暗号資産クライアント・スタートアップ向け金融サービス。
  • OnXmaps(評価額14億ドル):モバイルマッピング。
  • Linear(評価額12.5億ドル):ソフトウェア開発プロダクト管理ツール。
  • Gecko(評価額16.2億ドル):データ収集ロボット。
  • Meter(評価額12.5億ドル):企業向けマネージドインターネットインフラサービス。
  • Teamworks(評価額12.5億ドル):スポーツソフトウェア。
  • Pathos(評価額16億ドル):医薬品開発。
  • Statsig(評価額11億ドル):プロダクト開発プラットフォーム。
  • Function(評価額25億ドル):ヘルステック企業。

2025年の動向と今後の展望

2025年は、AI技術の成熟と応用拡大により、多くの新興企業が急速な成長を遂げた年として記憶されるでしょう。特に、AI関連の資金調達が活発であり、AIが投資の主要なトレンドであることが改めて示されました。しかし、宇宙産業のスタートアップ、量子コンピューティング、ヘルスケア、ブロックチェーンといった多岐にわたる分野の企業も、それぞれ独自の技術と市場で評価され、ユニコーン入りを果たしています。

この傾向は、テクノロジーの進化が特定の分野に留まらず、社会のあらゆる側面に浸透し、新たな価値を創造していることを物語っています。今後も、このようなイノベーションの波が続き、より多くの企業が成長の機会を掴むことが期待されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/01/at-least-36-new-tech-unicorns-were-minted-in-2025-so-far/