Truecaller、家庭向けの詐欺対策機能「Family Protection」を発表

Truecallerが家庭向け詐欺対策の新機能「Family Protection」を導入

電話番号識別サービスを提供するTruecallerは、家庭全体を詐欺から保護する新機能「Family Protection」を発表しました。近年増加する詐欺被害に対応するため、同社は従来の発信者ID機能の枠を超え、より広範なセキュリティソリューションを提供します。

「Family Protection」機能の詳細

「Family Protection」では、最大5人までの家族がグループに参加し、そのうちの一人が管理者として家族メンバーの詐欺対策設定を一元的に管理できます。特にAndroidユーザーの場合、管理者は疑わしい詐欺電話のリアルタイムアラートを受け取れるほか、家族のデバイスの基本的な状態(バッテリー残量など)を確認し、さらには詐欺と判断された通話を遠隔で終了させることも可能です。

この新機能はまず、スウェーデン、チリ、マレーシア、ケニアのAndroidおよびiOSユーザーを対象にパイロット版として展開されます。その後、2026年第1四半期にはインドを含む主要地域への拡大が予定されています。

詐欺の巧妙化とTruecallerの戦略

TruecallerのCEOであるRishit Jhunjhunwala氏は、TechCrunchに対し、詐欺の手口が個人から家庭全体をターゲットにするよう変化していると述べています。複数の家族メンバーに電話、メッセージ、不在着信通知、なりすましなどを仕掛けて、脆弱な接点を見つけ出そうとする傾向があるとのことです。これに対応するため、Truecallerは多人数向けの保護システムを開発しました。

「Family Protection」は基本的に無料で利用できます。しかし、管理者がプレミアムファミリープランにアップグレードした場合、家族全員が広告なしの体験、より強力なスパム防御、高リスク通話の自動拒否といった特典を享受できます。

グローバルな詐欺対策と市場の動向

Truecallerは、世界中に4億5千万人以上のユーザーを抱え、1日あたり約6,300万件の詐欺を検知しています。また、ユーザーコミュニティからは毎日約1億6,600万件のスパム通報があり、電話ベースの詐欺活動に関する世界最大級のデータセットを構築しています。

最大の市場であるインドでは、政府が発信者名を電気通信事業者登録名で表示する「Caller Name Presentation」システムの試験運用を開始しており、Truecallerは新たな競争に直面しています。しかし、同社は「Family Protection」のような発信者ID以外の新機能を追加することで、規制や市場の変化に適応し、サービスを拡大していく方針です。

まとめ

Jhunjhunwala氏は、「Family Protectionにより、一人の警戒が最大5人の家族メンバーの安全を強化する」とコメントしており、ユーザーが追加の労力をかけることなく保護を拡大することを目指しています。この新機能は、デジタル社会における家族の安全を守る上で重要な役割を果たすことが期待されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/09/truecaller-now-lets-users-protect-households-from-scam-calls/