Coreweave CEO、AI業界の「循環取引」を擁護し「協力」の重要性を強調

Coreweave CEO、AI業界の「循環取引」を擁護

AIクラウドインフラプロバイダーであるCoreweaveの共同創業者兼CEOであるMichael Intrator氏は、急速に拡大するAI業界における「循環取引」に対する批判に対し、企業の「協力」の必要性を強調しました。

2025年12月9日のFortuneのAI Brainstormサミットで、Intrator氏は、一部で「近視眼的」と評される自身の会社のパフォーマンスと、GPU資産を担保にした資金調達という「新しいビジネスモデル」の構築について語りました。

激動の一年:IPOから株価変動、そして買収戦略

Coreweaveにとって、この一年はまさに激動でした。3月には今年最大級のIPOを果たすも、期待ほどの成果は得られず、10月にはビジネスパートナーであるCore Scientificの買収計画が株主の懐疑心により頓挫しました。

同社の株価は、デビュー時の40ドルから一時150ドル以上に高騰しましたが、現在は約90ドルで推移しており、一部の批評家からはミーム株に例えられることもあります。Intrator氏はこの株価の変動について、IPOがトランプ大統領の関税導入直前の不安定な経済環境下で行われたことを指摘し、「信じられないほどの逆風の中、IPOを成功させることができたことを誇りに思う」と述べました。

また、同社の多額の負債も株価の不確実性の一因とされており、データセンター建設資金調達のための追加負債発表後には株価が8%下落する場面もありました。

「循環取引」批判への反論とパートナーシップ

AI業界で頻繁に批判される「循環取引」とは、少数の有力AI企業が互いに投資し合うビジネスモデルを指し、業界の長期的な経済的安定性について疑問を投げかけています。

しかし、NvidiaがCoreweaveの投資家でありGPUサプライヤーでもあることから、Intrator氏はこうした懸念を一蹴しました。同氏は、「企業は供給と需要の激しい変化に対応しようとしている。それは協力して取り組むことで実現する」と述べ、Nvidiaとの緊密な連携を擁護しました。

事業拡大と今後の展望

IPO後もCoreweaveは事業拡大に注力しています。3月にはAI開発者プラットフォームのWeights and Balancesを買収し、続いて、AIエージェントの作成・展開を支援するOpenPipe、オープンソースノートブックのMarimo、そして別のAI企業であるMonolithを買収しました。

さらに、OpenAIとのクラウドパートナーシップを拡大し、将来的には米政府機関や防衛産業基地へクラウドインフラを提供する連邦市場への参入も計画していることを明らかにしました。元々クリプトマイニング企業としてスタートしたCoreweaveは、現在ではAIインフラの主要プロバイダーとして、Microsoft、OpenAI、Nvidia、Metaといった主要テック企業と大規模なパートナーシップを築いています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/09/coreweave-ceo-defends-ai-circular-deals-as-working-together/