はじめに: Databricksが巨額資金調達、評価額は1340億ドルに
データインテリジェンス企業であるDatabricksは、シリーズL資金調達ラウンドで40億ドル以上を調達し、評価額が1340億ドルに達したことを発表しました。これは、わずか3ヶ月前の1000億ドルから34%の大幅な上昇となります。1年足らずで3度目の大規模な資金調達であり、同社のAI分野への注力が投資家からの強い信頼を集めていることを示しています。
AIビジネスの加速が成長の鍵
Databricksの急成長の背景には、AI革命のニーズに応える製品開発への集中があります。IPOを選択せずとも巨額の資金を調達できるのは、企業が公開市場の厳しい監視を受けずに資金を確保できる現代の状況を象徴しています。Databricksは、企業がデータとAIアプリケーションを構築・展開できるよう支援することに重点を置いています。
主要なAI製品と戦略
同社は、特にAIエージェント向けのデータベースであるLakebaseに多大な投資を行っています。LakebaseはオープンソースデータベースのPostgresを基盤としており、Neonの10億ドル規模の買収によって強化されました。さらに、企業がAIエージェントを構築・展開できるよう支援するプラットフォーム「Agent Bricks」も提供しています。また、AnthropicやOpenAIといった主要なAIラボとも数億ドル規模の契約を結び、彼らのモデルをエンタープライズ製品内で提供しています。
堅調な業績と今後の展望
Databricksは現在、年間の経常収益が48億ドル以上に達し、前年比で55%増加したと報告しています。このうち10億ドル以上がAI製品からもたらされています。同社は「バイブコーディング」と生成AIの並行的な台頭が、データインテリジェントなアプリケーション開発を加速させていると述べています。今回の新たな資金は、顧客がLakebaseをシステム記録として、Databricks Appsをユーザーエクスペリエンス層として、そしてAgent Bricksをマルチエージェントシステムの動力源として活用し、AIアプリやエージェントを構築できるよう支援するために使われる予定です。
主要投資家と資金使途
今回の資金調達ラウンドは、Insight Partners、Fidelity、J.P. Morgan Asset Managementが主導しました。その他、Andreessen Horowitz、BlackRock、Blackstone、Coatue、GIC、MGX、NEA、Ontario Teachers Pension Plan、Robinhood Ventures、T. Rowe Price Associates、Temasek、Thrive Capital、Winslow Capitalなどが参加しています。
Wall Street Journalの報道によると、Databricksはこの新たな資金を、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカで数千人の新規雇用を創出し、より多くのAI研究者を採用するためにも使用する計画です。
Databricksの共同創設者兼CEOであるアリ・ゴドシ氏は、「企業はインテリジェントなアプリケーションの構築方法を急速に再考しており、生成AIと新しいコーディングパラダイムの融合が、全く新しいワークロードへの扉を開いています」と述べています。
