Amazon、Ringドアベルに会話型AI「Alexa+ Greetings」を導入

はじめに

Amazonは、同社のスマートホームデバイスであるRingドアベルに、会話型AI機能「Alexa+ Greetings」を導入しました。これにより、Ringドアベルは単なる訪問者の通知だけでなく、より高度な対話を通じて来訪者の対応を自動化できるようになります。この新機能は、荷物の受け渡し指示、セールス担当者の対応、友人や家族からのメッセージ受付など、様々なシナリオで活用が期待されています。

「Greetings」機能の詳細

「Greetings」は、Ringドアベルのカメラが来訪者の服装や行動、所持品に基づいて訪問者を識別し、それに応じた自動応答を行うことが特徴です。例えば、

  • 配達員が荷物を届けに来た場合、指定された場所に荷物を置くように指示したり、水やスナックを提供したりする設定が可能です。サインが必要な場合は、Alexaが配達員に再訪の時期を尋ね、そのメッセージをユーザーに伝えることもできます。
  • セールス担当者や業者に対しては、「何かを売りつけようとする人がドアに来たら、丁寧に興味がない旨を伝えてください」といった指示を設定し、不必要なやり取りを避けることができます。
  • ユーザーが不在時や手が離せない時には、友人や家族が訪問した場合にAlexaが挨拶し、伝言を残すよう促すことができます。

この機能により、ユーザーは自宅にいる間も外出中も、ドアベル越しに来訪者と効率的にコミュニケーションを取ることが可能になります。

潜在的なリスクと課題

一方で、「Greetings」機能には誤認識のリスクも指摘されています。例えば、物流業界で働く友人が仕事帰りに配達員の制服を着て訪問した場合、RingとAlexaがその友人を配達員と誤認し、伝言を残すのではなく荷物を置くように指示してしまう可能性があります。Amazonは「Greetings」が人物を特定するのではなく、カメラが捉えた主要な被写体の行動を基に反応を生成すると説明していますが、このような誤認識が不適切な対応に繋がる可能性は考慮されるべき点です。

過去の顔認識機能との比較と対応状況

この新機能の導入は、以前「Familiar Faces(おなじみの顔)」というRingの顔認識機能がプライバシー問題で物議を醸したことを想起させます。「Familiar Faces」は、最大50人までの頻繁な来訪者の顔をカタログ化し、Ringアプリのタイムラインや通知で名前を表示するものでしたが、今回の「Greetings」は「誰であるか」を識別するものではないと強調されています。

「Alexa+ Greetings」機能は、Ring Wired Doorbell Pro (第3世代)Ring Wired Doorbell Plus (第2世代) に対応しており、動画の説明機能を有効にしているRingプレミアムプランのユーザーが利用できます。現在、米国とカナダのAlexa+早期アクセス顧客向けに展開が開始されています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/18/amazons-new-alexa-feature-adds-conversational-ai-to-ring-doorbells/