代替アプリストア「AltStore PAL」が日本上陸
iOSユーザー向けの代替アプリマーケットプレイス「AltStore PAL」が、日本でのサービスを開始しました。これは、Appleが日本において代替アプリストアのサポートを有効化したわずか1日後の出来事であり、その迅速な対応が注目されています。
日本のiPhoneおよびiPadユーザーは、AltStoreのウェブサイトからこの代替マーケットプレイスをダウンロードし、AppleのApp Storeを介さずにアプリを入手できるようになります。この動きは、日本のモバイルソフトウェア市場に新たな選択肢をもたらすものとして期待されています。
Appleの新たな市場開放と背景
Appleが日本での代替アプリマーケットプレイスを許可した背景には、12月18日に施行された「モバイルソフトウェア競争法(MSCA)」の要件を満たす目的があります。これにより、これまでApp Storeが独占していたiOSアプリの配布チャネルに、競争原理が導入されることになります。
代替マーケットプレイスから配布されるアプリは、Appleに「Core Technology Commission」として5%の手数料を支払う必要があります。また、代替マーケットプレイス自体もAppleからの認可が必要であり、配布するアプリはAppleによる公証(Notarization)プロセスを経る必要があります。この公証は、基本的な機能のチェックとマルウェアの有無を確認するためのもので、アプリの基本的な安全性を確保します。
利用条件と開発者の声
AltStore PALを利用するための主な条件は以下の通りです。
- 物理的に日本国内にいること。
- 日本のApp Storeアカウントを所有していること。
- iOS/iPadOS 26.2以降のバージョンを実行しているデバイスであること。
AltStoreの開発者であるライリー・テストゥート氏によると、Appleから日本の市場開放に関する事前通知はなかったものの、同マーケットプレイスは数ヶ月前から欧州連合(EU)で既に稼働していたため、わずか数時間で日本でのローンチが可能になったと述べています。
「AltStore PAL」の提供内容と収益モデル
AltStore PALは、ローンチを記念して、パトロン限定機能付きのPatreonアクセスを1ヶ月間無料で提供しています。AltStore自体は無料でダウンロードできますが、Patreonに登録することで、人気のゲームエミュレータ「Delta」のベータ版アップデートなど、独占的な機能にアクセスできます。
このプラットフォームは、独立系開発者によって作成された他のアプリも提供しており、中には標準のApp Storeでは許可されていない機能を持つものも含まれます。AltStore PALを通じて配布されるアプリは、Patreonサブスクリプションを介して収益化することが可能です。
セキュリティとコンテンツの監督
Appleの公証プロセスは、アプリの基本的な機能とセキュリティ(マルウェアチェック)を保証しますが、代替マーケットプレイスを通じて提供されるアプリは、App Storeと同じコンテンツ要件の対象とはなりません。これにより、Appleはこれらのアプリのコンテンツに対する監督権限をほとんど持たないことになります。
この点は、ユーザーにとってより多様なアプリの選択肢が生まれる一方で、コンテンツの品質や安全性の面で新たな課題をもたらす可能性も指摘されており、今後の動向が注目されます。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/12/18/altstore-japan-launch/
