はじめに
Microsoftは、Windows 10のメッセージキューイング (MSMQ) 機能に影響を与えていた不具合を修正するため、緊急の帯域外 (OOB) 更新プログラム (KB5074976)をリリースしました。この問題は、2025年12月にリリースされた月次セキュリティ更新プログラムによって引き起こされたもので、特に企業環境において深刻な影響を及ぼしていました。
MSMQ問題の詳細
2025年12月9日のWindowsアップデート適用後、一部のユーザーからMSMQ機能に関する問題が報告されていました。Microsoftによると、これはMSMQに関連するセキュリティ機能の変更が意図せず機能に影響を与えたためと考えられています。具体的な症状としては、メッセージキューが非アクティブになる、リソース不足のメッセージが表示される、アプリケーションがメッセージキューに書き込めない、メッセージ作成に関するエラー、ディスク容量やメモリ不足の警告などが挙げられます。
同社は、この問題が負荷のかかるクラスター化されたMSMQ環境にも影響を及ぼすことを確認しており、主にエンタープライズまたは管理されたIT環境で発生すると説明しています。Windows HomeまたはProエディションを使用している一般的な個人ユーザーがこの問題に遭遇する可能性は低いとのことです。
対象となるユーザーと入手方法
このOOB更新プログラムは、Windows UpdateやWSUSを通じては提供されず、Microsoft Update Catalogからのみダウンロード可能です。したがって、この不具合の影響を受けているWindows 10 ESU (拡張セキュリティ更新プログラム) 登録済みのPCのみが、この更新プログラムをダウンロードして適用する必要があります。
今後の展望
Microsoftは、今回のMSMQ問題に限らず、Windows IISの不具合修正やその他のセキュリティアップデートなど、継続的にシステムの安定性とセキュリティ向上に取り組んでいます。ユーザーは、自身の環境に合わせた適切な更新プログラムの適用を注意深く検討することが求められます。
