アサヒグループ、ランサムウェア攻撃によるシステム障害とデータ窃取を確認

アサヒグループホールディングス、ランサムウェア攻撃を公表

日本の大手ビールメーカーであるアサヒグループホールディングスは、今週発生したITシステム障害の原因がランサムウェア攻撃であることを本日(2025年10月3日)確認しました。同社は月曜日にサイバー攻撃を公表していましたが、その後の調査でネットワークへのランサムウェア展開が判明したとのことです。

攻撃の詳細と事業への影響

アサヒグループの発表によると、今回のサイバー攻撃により、同社のネットワークにランサムウェアが展開されただけでなく、侵害されたデバイスからデータが窃取された可能性があることも確認されました。この攻撃は日本の工場に影響を及ぼし、システムベースの受発注および出荷プロセスが停止。これにより、同社は手動での処理に切り替えざるを得ない状況に追い込まれています。

同社は、年間売上高が2024年に約200億ドルに達し、ペローニ、ピルスナーウルケル、グロールシュ、フラーズなどの有名ブランドを所有する日本最大のビール醸造会社です。従業員数は3万人、年間1億ヘクトリットルの飲料を生産しており、今回のシステム障害は事業運営に大きな影響を与えています。

アサヒの対応と今後の見通し

アサヒグループは、インシデント検知後すぐに緊急対策本部を設置し、外部のサイバーセキュリティ専門家と協力して調査を進めています。現時点では、システムの復旧時期については明確な見通しが立っていませんが、迅速な復旧に向けて取り組んでいるとのことです。攻撃の範囲は現在のところ日本国内に限定されています。

注目すべきは、現時点でどのランサムウェアグループも犯行声明を出していない点です。これは、同社が攻撃者の要求に応じていないか、交渉中であるか、あるいはすでに身代金を支払った可能性を示唆しています。BleepingComputerはアサヒに対し、身代金の要求があったか、システムが暗号化されたかについて問い合わせていますが、まだ回答は得られていません。


元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/security/japanese-beer-giant-asahi-confirms-ransomware-attack/