はじめに

Appleの最新OS、macOS Tahoeは、その「リキッドグラス」デザインで注目を集めていますが、多くのユーザーが見過ごしがちな、しかし日々のMac体験を大きく変える新機能が多数搭載されています。本記事では、これらの隠れた機能の中から、特にセキュリティとプライバシーの観点から注目すべきポイントを深掘りし、その影響について解説します。

プライバシー管理の強化と懸念

macOS Tahoeでは、ユーザーの利便性を高める一方で、プライバシーに関する新たな考慮事項も導入されています。

• クリップボード履歴機能

  Spotlightに統合されたクリップボード履歴機能は、コピー＆ペーストした内容を一時的に追跡します。これは、以前コピーした項目を簡単に見つけ出すのに役立ちますが、機密情報が一時的に保存される可能性を意味します。Appleは「8時間で消去される」と説明しており、デフォルトでオフになっているため、利用する際は設定を有効にする必要があります。ユーザーは、この機能の利便性とプライバシーリスクを理解し、慎重に利用することが求められます。

• Spotlight検索履歴の表示

  Spotlightの過去の検索履歴や実行したアクションを簡単に確認できるようになりました。これは、以前の作業に戻る際に便利ですが、検索内容が記録されるため、プライバシー意識の高いユーザーにとっては注意が必要です。

• Live Activitiesのデバイス間同期

  iPhoneで進行中のLive Activities（フライト状況、Uberの乗車状況、スポーツの試合結果など）がMacのメニューバーに自動的に表示されるようになりました。これは「iPhoneミラーリング」機能を通じて実現され、デバイス間の連携を強化します。しかし、個人情報や行動に関する情報が複数のデバイスで共有されるため、どの情報が同期されるのか、そしてその表示範囲についてユーザーが意識しておくことが重要です。

自動化機能のセキュリティリスク

macOS Tahoeに導入された強力な自動化機能は、生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めていますが、同時にセキュリティ上の新たな懸念も生じさせます。

• ショートカットによる自動化

  iOSスタイルのショートカットアプリがmacOS Tahoeに導入され、時間、アプリの起動、アクセサリの接続、フォーカスモードの有効化、バッテリーレベル、特定のフォルダへのファイル保存など、様々なトリガーに基づいて自動的にタスクを実行できるようになりました。これにより、複雑なワークフローを自動化できますが、悪意のあるショートカットがシステムに導入された場合、予期せぬ操作や情報漏洩のリスクが高まります。ユーザーは、信頼できるソースからのみショートカットをインストールし、その内容を十分に確認することが不可欠です。

• クイックキー

  Spotlightで特定の文字を入力するだけで、アプリの起動やメッセージ送信などのアクションを実行できる「クイックキー」も導入されました。これは日常的なタスクを高速化しますが、設定されたクイックキーが意図しないアクションを引き起こす可能性も考慮する必要があります。特に、共有環境で使用するMacでは、クイックキーの設定に注意を払うべきです。

まとめ

macOS Tahoeは、ユーザーエクスペリエンスを向上させる多くの革新的な機能を提供します。しかし、これらの新機能、特にプライバシー関連の履歴機能や強力な自動化ツールは、ユーザーがその仕組みを理解し、適切な設定を行うことで初めて安全かつ効果的に活用できます。新OSへのアップグレードを検討しているユーザーは、これらの機能を十分に探索し、自身のセキュリティとプライバシー設定を見直すことを強く推奨します。

元記事: https://www.macrumors.com/guide/macos-tahoe-hidden-features/