概要:Chromebookの新たな選択肢
Acerの最新コンバーチブルChromebook、Chromebook Plus Spin 514が市場に登場しました。先行モデルの評価は様々でしたが、今回の最終製品は高いパフォーマンスと優れたバッテリー寿命、そしてスタイラス対応の良好なタッチスクリーンを備え、期待に応える仕上がりとなっています。しかし、スピーカーの品質と生体認証機能の欠如が、700ドルの価格に見合うかどうかの議論を呼んでいます。
主要スペックとパフォーマンス
レビューされた基本構成モデルは699ドルで、MediaTekのKompanio Ultra 910プロセッサ、12GBのRAM、256GBのUFSストレージを搭載しています。14インチの1920 x 1200 IPSタッチスクリーンは120Hzのリフレッシュレートと300ニトの輝度を誇り、USI 2.0スタイラスにも対応しています(スタイラスは別売り)。
ArmベースのKompanio Ultra 910プロセッサは、日常的な生産性タスクやChromeOSのウェブアプリを迅速に処理し、バッテリー寿命は丸一日以上持続します。冷却ファンが搭載されているものの、通常使用ではほとんど作動せず、Lenovoの同チップ搭載モデルと比較してもわずかに優れたベンチマークスコアを記録しています。
プライバシーとセキュリティ機能
本モデルの注目すべき点の一つは、ウェブカメラの改善です。5メガピクセルのカメラは鮮明で適切なコントラストを提供し、特にプライバシーシャッターが搭載されている点は、ユーザーのプライバシー保護において重要な機能と言えます。混合光や低照度の環境でも良好な性能を発揮し、以前のAcer製ラップトップから大幅なアップグレードを遂げています。
しかし、セキュリティ面で大きな課題となるのが、生体認証ログイン機能の欠如です。指紋センサーがないため、Androidスマートフォンを接続してPIN入力を省略することはできますが、これはラップトップを素早くロック解除する専用の指紋センサーの代わりにはなりません。この点は、現代のデバイスにおいてセキュリティと利便性を両立させる上で、改善が望まれる部分です。
その他の評価
キーボードはLenovoの競合製品ほどではないものの、快適なタイピング感を提供し、十分なキーストロークがあります。メカニカルなトラックパッドも良好な操作感です。ポート類は、2つのUSB 3.2 Gen 2 Type C(10Gbps)と2つのUSB 3.2 Gen 1 Type A(5Gbps)、3.5mmコンボオーディオジャックを備え、Lenovoモデルよりも高速なUSB-Cポートが特徴です。
一方で、スピーカーの品質は「ひどい」と評されており、キーボードの側面に配置されているため、タブレットモードやテントモードでは音がユーザーから離れてしまいます。音質も「濁ってこもった」サウンドであり、外部スピーカーやヘッドホンでの対応が推奨されます。
結論:優れた2-in-1だが、価格と機能のバランスが鍵
Acer Chromebook Plus Spin 514は、Chromebook市場において「王様」とまではいかないものの、非常に優れた「公爵」または「公爵夫人」のような存在です。高性能なArmベースのチップと長いバッテリー寿命は魅力的ですが、生体認証の欠如とスピーカーの品質が、その価格を考慮すると購入をためらわせる要因となり得ます。
もし2-in-1コンバーチブルのChromebookを強く求めるのであれば、本モデルは推奨できます。しかし、50ドル追加でOLEDディスプレイ、優れたスピーカー、指紋センサーを備えたLenovo Chromebook Plus 14が手に入ることを考えると、Acerモデルの価格がセールで599.99ドル程度に下がった際に、より魅力的な選択肢となるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/tech/791532/acer-chromebook-plus-spin-514-2in1-laptop-review