Blue Origin、New Glenn第2段再利用の「永遠の議論」
Blue Originの巨大ロケット、New Glennの第2段再利用を巡る議論が再び活発化しています。同社のエンジニアたちは、ロケットの運用経済性を左右するこの問題に、実に15年以上も頭を悩ませてきたといいます。第1段の完全再利用は既に設計に組み込まれていますが、2基のBE-3Uエンジンを搭載する上段(第2段)の再利用については、その是非が問われ続けています。
SpaceXとの再利用戦略比較
2010年代初頭、競合のSpaceXもまた、Falcon 9ロケットの第2段再利用の経済性を検討していました。最終的にSpaceXのイーロン・マスクCEOは、Falcon 9の第2段を完全再利用する目標を断念。代わりにフェアリングの回収と上段の製造コストの極限までの削減に注力しました。この戦略は見事に功を奏し、SpaceXは新しい第2段を使用しても、Falcon 9の内部打ち上げコストを約1,500万ドルまで引き下げています。同社は現在、より大型のStarshipの完全再利用に焦点を移しています。
New GlennはFalcon 9よりもかなり大型ですが、Starshipよりは小型です。Blue Originは、このNew Glennの第2段を再利用するべきか、あるいは製造コストを徹底的に削減するべきかという問題に直面してきました。
揺れ動く再利用への道のり:過去と未来
Blue Originの内部議論は長年にわたり、浮き沈みを繰り返してきました。5年以上前には、再利用可能なステンレス製上段を開発する「Project Jarvis」が立ち上げられたものの、後に中止されています。
しかし、事態は再び動きを見せています。2025年初頭のNew Glenn初打ち上げを目前に控え、同社創設者のジェフ・ベゾス氏とCEOのデイブ・リンプ氏は、上段(GS2)の選択肢を検討し続けていると述べていました。そして今、新たな求人情報が、この議論が再利用へと傾きつつあることを示唆しています。
同社が先日公開した「再利用可能な上段開発担当ディレクター」の求人募集は、「New Glenn上段およびペイロード設備(GS2PA)プログラム管理担当ディレクターとして、New Glenn GS2PA担当副社長と協力し、再利用可能な上段を段階的に開発するためのリーンエンジニアリングイニシアチブの実行を直接支援する」と明記されています。
高コストが課題:持続可能な宇宙ビジネスのために
New Glennは2025年1月のデビュー飛行で成功を収め、同年11月の2回目の飛行では第1段の海上着陸を成功させるなど、その性能は極めて高い評価を受けています。しかし、この卓越した性能には大きなコストが伴います。
ロケットの第一世代は過剰設計であり、非常に高価です。内部コストは不明ながら、情報筋によると第1段の製造には1億ドル以上、第2段には5,000万ドル以上がかかるとされています。第1段のコストは複数回の打ち上げで償却できますが、高価な第2段を使い捨てることは、持続可能な打ち上げビジネスを構築する上での大きな障壁となります。
Blue Originは現在、年間12基の第2段を製造する能力を持ち、さらに新しい製造施設を稼働させようとしています。製造効率の向上や設計の簡素化でコスト削減は可能ですが、それには限界があります。さらに、将来的に計画されている4基のBE-3Uエンジンを使用する9×4バージョンのNew Glennでは、第2段の製造コストが1億ドルに達する可能性もあり、再利用の必要性はより一層高まると考えられます。
再利用への技術的挑戦
ロケット上段の再利用は、依然として未知の領域です。SpaceXもStarshipの軌道速度からの帰還における熱保護など、技術的な実験を続けています。推進剤や着陸装置の質量が性能に影響を与えるため、新しい上段開発担当ディレクターには困難な課題が山積しています。しかし、持続可能な宇宙開発の未来のため、Blue Originがこの挑戦にどう応えるか注目されます。
