AltStoreの国際展開と背景
iPhoneユーザーにAppleのApp Storeに代わる選択肢を提供するAltStoreが、今年中にオーストラリア、ブラジル、日本でiPhoneアプリの提供を開始する計画を発表しました。来年には英国での展開も視野に入れています。この動きは、これらの国々で進むデジタル市場に関する規制の導入に起因しています。
AltStoreの最大の特徴は、Appleの厳格なアプリ審査ガイドラインに違反する可能性のあるアプリも提供している点です。これにより、ユーザーはより多様なアプリにアクセスできるようになります。
規制と代替アプリストアの台頭
AltStoreは昨年、欧州連合(EU)でデジタル市場法(DMA)が施行され、Appleが代替アプリストアを許可せざるを得なくなったことを受け、EU圏内でiPhone向けにローンチしました。2024年4月にリリースされたiOS 17.4およびiPadOS 17.4以降、EU圏内のiPhoneおよびiPadユーザーはSafariなどのウェブブラウザを通じてAltStoreを含む代替アプリストアをインストールできるようになっています。
今回AltStoreが展開を計画しているオーストラリア、ブラジル、日本、英国も、EUと同様の規制導入を進めています。しかし、Appleはまだこれらの国々での代替アプリストアのサポートを公式に発表しておらず、AltStoreは規制の最終決定と施行に先駆けて計画を公表した形です。米国では、司法省がAppleに対して独占禁止法訴訟を提起していますが、現時点ではiPhoneでの代替アプリストアはサポートされていません。
セキュリティ上の考慮事項
AltStoreのような代替アプリストアの登場は、ユーザーにアプリ選択の自由をもたらす一方で、潜在的なセキュリティリスクも伴います。AppleのApp Storeは、アプリのセキュリティとプライバシーに関する厳格な審査プロセスを通じて、ユーザーを悪意のあるアプリから保護しています。
しかし、代替アプリストアでは、これらの審査基準が異なる、あるいは存在しない場合があります。そのため、ユーザーはAltStoreを通じてインストールするアプリの信頼性をこれまで以上に慎重に評価する必要があるでしょう。AltStoreは「Fediverse」サポート(ActivityPubプロトコル経由)も導入予定であり、新たな機能が追加されることで、そのセキュリティモデルへの注目が高まります。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/07/altstore-on-iphone-more-countries-plan/