マストドン、Blueskyに倣い「パック」機能導入へ – ユーザープライバシーを重視

マストドンが「パック」機能で新規ユーザーのオンボーディングを改善

分散型ソーシャルネットワークのマストドンが、Blueskyの成功事例に倣い、新規ユーザー向けの「パック」機能導入を計画していることを発表しました。この機能は、新しいソーシャルネットワークに参加した際に誰をフォローすべきか分からないという「コールドスタート」問題を解決することを目的としています。

Blueskyの「スターターパック」とMetaの追随

Blueskyは昨年、「スターターパック」という機能でこの問題に対処しました。これにより、一般ユーザーがフォロー推奨ユーザーのコレクションをキュレーションできるようになり、その人気はMetaのInstagram Threadsにも同様の機能が実装されるほどでした。

マストドンの「パック」におけるプライバシーとユーザーコントロール

マストドンは、この「パック」機能を導入するにあたり、ユーザーのプライバシーとコントロールを最優先しています。Blueskyとは異なり、マストドンではユーザーが自身のプロフィールがパックに表示されるかどうかを管理できます。

  • オプトアウトの容易さ: ユーザーは「発見アルゴリズムでプロフィールと投稿を特集する」設定を無効にすることで、パックへの表示を簡単に拒否できます。
  • 通知機能: 自身がパックに含まれた場合、ユーザーには通知が届きます。
  • 削除メカニズム: Blueskyのようにパックを報告したり、作成者をブロックしたりする必要はなく、よりシンプルな方法でパックから自身を削除できるメカニズムを提供する予定です。これは、最近導入された引用投稿から自身の投稿を削除する機能と同様のアプローチです。

このアプローチは、分散型ソーシャルネットワークとしてのマストドンの理念、すなわちユーザーにデータと体験の主導権を与えるという原則を強く反映しており、セキュリティとプライバシーを重視するユーザーにとって重要なポイントとなります。

開発状況と今後の展望

マストドンを開発する非営利団体Mastodon gGmbHは、他のフェディバース開発者と協力し、GitHub上でフェディバース強化提案(FEP)を進めています。この「パック」機能とその他のオンボーディング改善は、マストドン4.6リリースで利用可能になる予定です。現在のバージョンは4.4.5です。

この新機能は、マストドンが新規ユーザーの獲得と定着を図りつつ、その核となる価値観であるユーザー主権とプライバシー保護を維持しようとする姿勢を示しており、今後の展開が注目されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/07/mastodon-is-taking-cues-from-bluesky-with-plans-for-its-own-starter-packs/