AIがソーシャルメディアの「第三の時代」を牽引
MetaのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、ソーシャルメディアフィードにAI生成コンテンツをさらに大量に投入する準備を進めていると発表しました。水曜日の決算説明会でザッカーバーグ氏は、AIがオンラインで共有されるコンテンツの作成とリミックスを容易にすることで、同社のレコメンデーションシステムに「膨大な量のコンテンツ」が追加されると述べました。
ザッカーバーグ氏によると、ソーシャルメディアはこれまで二つの時代を経てきました。一つ目は、すべてのコンテンツが友人、家族、直接フォローしているアカウントからのものだった時代。二つ目は、クリエイターコンテンツが追加された時代です。ザッカーバーグ氏はAIをソーシャルメディアの第三の時代とまでは断言しませんでしたが、AIが今後の展開に深く関与することは明らかです。
同氏は、AI生成コンテンツを「深く理解し」、「適切なコンテンツを表示する」レコメンデーションシステムが「ますます価値を持つようになる」と強調しました。MetaはすでにAIツールを各アプリに組み込み始めており、専用のAIソーシャルアプリの実験も行っています。
AI生成コンテンツの急増と新たな課題
MetaのCFO、スーザン・リー氏は、OpenAIのSoraに似たAI生成動画のフィードを提供する同社の新しいVibesアプリ内で、ユーザーが200億以上の画像を生成したことを明らかにしました。ザッカーバーグ氏は、VibesをAIによって可能になった新しいコンテンツタイプの一例と見ており、今後さらに多くの斬新なタイプのコンテンツを構築する機会があると付け加えました。
しかし、このようなAI生成コンテンツの爆発的な増加は、セキュリティの観点から新たな課題を提起します。AIは、誤情報、偽情報、ディープフェイク、そして高度なフィッシング詐欺やプロパガンダの作成に悪用される可能性があります。コンテンツの量が飛躍的に増大する中で、悪意のあるAI生成コンテンツを効果的に検出し、モデレートする能力がこれまで以上に重要になります。
セキュリティ専門家が懸念する点
セキュリティ専門家は、AIが生成するコンテンツの信憑性が高まるにつれて、ユーザーが真実と虚偽を見分けることが困難になることを懸念しています。特に、政治的な操作、金融詐欺、個人への嫌がらせなど、AIが悪用されるリスクは無視できません。プラットフォーム側には、これらの脅威に対抗するためのより高度なAI駆動型検出システムと、透明性の高いコンテンツモデレーションポリシーの導入が求められます。
MetaがAI生成コンテンツを「深く理解する」レコメンデーションシステムを重視していることは、これらの課題への対応を意識していることを示唆していますが、その実効性が問われることになります。ユーザーの安全とプラットフォームの信頼性を確保するためには、技術的な対策だけでなく、倫理的なガイドラインと迅速な対応が不可欠となるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/news/809349/meta-mark-zuckerberg-ai-social-feeds-q3-2025-earnings
