Windows 11に「共有オーディオ」機能が登場
Microsoftは、Windows 11において、複数のBluetoothデバイス間で同時にオーディオを共有できる新機能「共有オーディオ」のテストを開始しました。これにより、ユーザーは2つのヘッドホンやスピーカーなどで、同時に音楽を聴いたり、映画を視聴したりすることが可能になります。これは、友人と音楽を共有したり、飛行機内で家族と一緒に映画を楽しんだりする際に役立つとされています。
これまでのBluetooth接続では、通常、一度に1つのデバイスしかオーディオを再生できませんでした。たとえ複数のデバイスを接続できたとしても、同時に音声を両方から出力することは困難でした。この制限はBluetoothの仕様によるものでしたが、新しいモデムに搭載されているBluetooth LE Audioブロードキャスト技術によって、この状況が変わりつつあります。
「AI PC」が必須要件
この画期的な「共有オーディオ」機能は、Bluetooth LE Audioブロードキャスト技術を搭載した最新のPC、特に「Copilot+ PC」と呼ばれるAI機能に特化したモデルでのみ利用可能です。Microsoftは、この技術が現代のPCに搭載されていることを強調しており、既存の多くのWindows 11ユーザーがすぐに利用できるわけではない点に注意が必要です。
現在、この機能はWindows Insider ProgramのDevおよびBetaチャネルで、Windows 11 Build 26220.7051 (KB5067115)を通じて展開されています。クイック設定に「共有オーディオ (プレビュー)」のショートカットが追加され、そこから機能を有効化できます。
対応デバイスと今後の展望
現時点で「共有オーディオ」機能に対応しているPCは、以下の「Copilot+ PC」モデルに限定されています。
- Surface Laptop (13.8インチおよび15インチ) | Qualcomm Snapdragon X
- Surface Laptop for Business (13.8インチおよび15インチ) | Qualcomm Snapdragon X
- Surface Pro (13インチ) | Qualcomm Snapdragon X
- Surface Pro for Business (13インチ) | Qualcomm Snapdragon X
また、近日中には以下のモデルも対応予定です。
- Samsung Galaxy Book5 360 | Intel Core Ultra Series 200
- Samsung Galaxy Book5 Pro | Intel Core Ultra Series 200
- Samsung Galaxy Book5 Pro 360 | Intel Core Ultra Series 200
- Samsung Galaxy Book4 Edge | Qualcomm Snapdragon X
対応するオーディオアクセサリーとしては、Galaxy Buds2 Pro、Buds3、Buds3 Proなどが挙げられています。Microsoftは今後、より多くのデバイスへの対応を拡大していくとしていますが、現時点では特定のハードウェア要件が設けられているため、ユーザーは自身のデバイスが対応しているかを確認する必要があります。
この機能自体に直接的なセキュリティ脆弱性は報告されていませんが、特定の「AI PC」に限定されるという点は、今後のWindowsエコシステムにおける機能提供の方向性を示唆しており、ユーザーが最新の機能とセキュリティ恩恵を享受するためには、ハードウェアのアップグレードがより重要になる可能性を秘めています。
