AWSの好調な業績とAI需要
AmazonのクラウドインフラサービスであるAmazon Web Services(AWS)は、AI業界における計算能力への前例のない需要に牽引され、過去3年間で最も力強い成長を記録する見込みです。同社は前年比20%の成長を遂げ、第3四半期までの9ヶ月間で331億ドルの売上高を達成したと発表しました。第3四半期の営業利益は114億ドルに増加し、2024年同期の104億ドルから上昇しています。
Amazonのアンディ・ジャシー社長兼CEOは、「AWSは2022年以来見られなかったペースで成長しており、前年比20.2%に再加速しています」と述べ、「AIとコアインフラに対する強い需要が続いており、当社はキャパシティの加速に注力してきました。過去12ヶ月で3.8ギガワット以上を追加しています」と強調しました。
積極的なインフラ投資と新規契約
AWSは、AIとコアインフラへの高まる需要に対応するため、積極的な投資を続けています。第3四半期にはニュージーランドにインフラリージョンを開設し、さらに3つのリージョンが計画されています。また、AI市場の注目企業との新規契約も複数獲得しており、7月にはAIブラウザ企業Perplexityのエンタープライズ製品立ち上げで提携し、第3四半期中にはCursorとも提携しました。
競合他社の動向と市場の展望
AIのインフラ需要の高まりは、AWSの競合他社にも恩恵をもたらしています。OpenAIとOracleは、2027年から開始される3,000億ドル規模のクラウドコンピューティング契約と、年間300億ドルのデータセンターサービス契約を締結したと報じられています。また、GoogleとAnthropicも数百億ドル規模のクラウド契約を発表しました。
将来のクラウドインフラ需要や市場がバブル状態にあるかという懐疑的な見方もありますが、クラウド企業は顧客が高額な料金を支払う意欲のある市場で、この機会を最大限に活用しています。ジャシーCEOは、「需要があるため、当社はキャパシティへの投資を非常に積極的に継続するでしょう。現在キャパシティを追加しているのと同じ速さで、それを収益化しています」と語りました。
Amazon全体の戦略と人員削減
このニュースは、AmazonがAI戦略への投資を強化するため、企業部門で14,000人の人員削減を発表した2日後に報じられました。これは、AI分野への集中と投資の優先順位付けという、Amazon全体の戦略的な動きを示唆しています。
