ノルウェー政府系ファンド、マスク氏の1兆ドル報酬案に反対票 – 企業統治に警鐘

導入

ノルウェーの政府系ファンドが、テスラCEOイーロン・マスク氏に対する1兆ドル(約150兆円)規模の報酬パッケージ案に反対票を投じました。これは、史上最大級の企業報酬案を巡るテスラの株主説得キャンペーンにとって、新たな障壁となるものです。

反対の理由と背景

ノルウェー銀行投資運用(NBIM)が管理するこのファンドは、テスラの株式1.14%(約117億ドル相当)を保有しています。NBIMは声明で、「マスク氏の先見的な役割の下で生み出された多大な価値は評価するものの、報酬総額の規模、株式の希薄化、そしてキーパーソンリスクの軽減策の欠如について懸念している」と述べました。これは、同ファンドの役員報酬に関する一貫した見解に基づくものです。

広がる反対の動き

NBIMの反対票だけでは、この提案を阻止するには不十分かもしれません。しかし、これはテスラが株主を説得するための長い道のりにおける最新の障害です。ISSやGlass Lewisといった主要な諮問グループも、この報酬案に反対するよう推奨しています。マスク氏自身は、この報酬パッケージが金銭的なものではなく、テスラに対する自身の支配権に関わるものだと主張しており、承認されなければテスラを去る可能性を示唆しています。

セキュリティと企業統治の視点

この報酬案を巡る議論は、現代企業における企業統治(ガバナンス)の健全性と、特定の個人への過度な依存がもたらすキーパーソンリスクの重要性を浮き彫りにしています。巨額の報酬が株主価値の希薄化を招く可能性や、経営陣の交代が企業に与える影響は、投資家にとって重要なセキュリティ上の懸念事項となります。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/04/norways-wealth-fund-vote-is-latest-blow-to-musks-1-trillion-pay-package/