導入:増え続ける任天堂アプリがユーザーを混乱させる可能性
任天堂が新たにAndroidおよびiOS向けにストアアプリをリリースしたことで、ユーザーの間で「任天堂のアプリが多すぎる」という声が上がっています。これにより、Switchアプリ、音楽アプリ、Nintendo Todayニュースアプリ、そして今回のストアアプリと、スマートフォンに並ぶ任天堂関連アプリは計4つに。このアプリの乱立は、ユーザー体験を複雑にし、混乱を招く可能性があると指摘されています。
乱立する任天堂アプリと機能の重複
各アプリはそれぞれ異なる目的を持っています。Switchアプリはスクリーンショットやソーシャル機能、ストアアプリはハードウェアやゲームの購入、Nintendo Todayはニュースやリリース日リマインダー、音楽アプリは任天堂の楽曲提供と、一見すると独立した機能を提供しているように見えます。しかし、記事では機能の重複が問題視されています。例えば、プレイ履歴はストアアプリとコンソールアプリの両方で確認でき、ストアのニュースページはNintendo Todayよりも充実している場合があるとのこと。これは、ユーザーにとってどのアプリを使えば良いのか分かりにくい状況を生み出しています。
他社との比較とユーザー体験の格差
PlayStationやXboxが、スクリーンショットの閲覧からストアでの購入まで、一つのアプリ内でシームレスな体験を提供しているのと比較すると、任天堂のアプリ戦略は対照的です。他社が統合されたプラットフォームを提供することでユーザーの利便性を高めている中、任天堂は個別のアプリを増やすことで、かえってユーザーに管理の負担を強いている形となっています。
音楽アプリの特殊性とビジネスモデル
特に注目されるのが音楽アプリです。このアプリはNintendo Switch Onlineの加入が必要であり、さらに楽曲の作曲者クレジットが表示されていません。記事では、任天堂が自社楽曲をストリーミングサービスで提供せず、専用アプリに限定しているのは、ロイヤリティ支払いを避けるためではないかという憶測も提示されています。これは、ユーザーの利便性よりも、自社のビジネスモデルやIP管理を優先している可能性を示唆しています。
任天堂の広範な戦略とアプリの役割
任天堂の古川社長は、「任天堂が人々の日常生活の一部となり、家族の成長と共に寄り添う存在になることを願う」というビジョンを掲げています。Alarmo、My Mario、アニメ、映画、テーマパーク、子供向けアプリ「Hello, Mario」など、多岐にわたる事業展開はその一環です。しかし、この広範な戦略の中でアプリがどのように位置づけられ、ユーザーにどのような体験を提供するのか、その一貫性と統合性が問われています。
結論:ユーザーの離反を防ぐためのアプリ戦略の見直し
任天堂のアプリはそれぞれ価値ある機能を提供していますが、その数が多すぎること、そして機能が重複していることが、ユーザーにとって混乱と不便を生み出しています。このままでは、ユーザーがスマートフォンのスペースを確保するために、任天堂アプリを削除し始める可能性も指摘されています。ユーザーのデジタルライフに寄り添うためには、アプリの統合や機能の再編など、よりユーザー中心のアプリ戦略が求められていると言えるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/games/815741/nintendo-apps-nintendo-store-nintendo-music
